5000円はただの紙

 淡々と流れる時間の中で、二人のJKは足を舐め、指を噛み、5000円を授受する。
 偶然に気まぐれが乗っかって始まった彼女らの関係は思わず目を見張る。5000円で繋がる関係が何を意味し、どんな影響を持つのか。それはまだ、分からない。
 しかし、分かることもある。大事なのは二人の関係やその変化で、5000円はただの紙切れだ。彼女達にとって5000円は命令を与えるチケットでしかなく、命令を受けるチケットでしかない。
 だが、5000円とは現状彼女らを繋ぐ唯一の存在であり、チケットとはあっさり切られるものでもある。遊園地に入園する時のように、大学に入学する時にチケットは切られてしまうだろう。
 それまでに後一年と少し。大事じゃない5000円に代わる大事な何かを見つけられるのか、見つけられないのか。今後の展開が非常に気になる傑作だ。