遠くに霞む山は顔を覆い

川に沈む岩は身を削る

紅い目玉のカラスが群青を睨めば

名も知らぬ目の数々が針の雨を降らす

街で見上げた墓標の頂から

飛び立った彼は空を切り

生まれた風が頬を切る

溢れ出た生が眠る土で

安らぐ彼の海が渇いた頃に

故郷に降り注いだ蜩の知らせ












#詩コン


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決められた言葉から生まれる詩 雨音 @ayuction

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