第2話 ショートホラー「あなたの彼女」…伝染
柴崎渡の腕の字は、どんなに洗っても消えなかった。
いつみ…。
その字を見る度に、抹殺したい衝動が、柴崎を襲った。
ラインをいじっていると、「待島いつみ」という友達申請が見えた。
こいつだ…。
柴崎は、その友達申請を、抹消した。
その日から、数日後。
柴崎は、「待島いつみ」という一冊の本を眼にした。
こいつが、俺に…。
柴崎は、その本を、逆さまに本棚に戻した。
その日から、また数日後。
テレビ欄で、「待島いつみ」の字を眼にした。
「待島いつみ」…。
リモコンを持つ手が、勝手に動いた。
「待島いつみさんでーす。」
それは、ものすごくかわいい少女だった。
「今度、スターレコードから、デビューされます。」
えええええ?
「タイトルは、私を忘れないで。」
皆さん、買ってくださいねー。
アナウンサーの声が遠くで響いた、柴崎渡だった…。
―完―
ショートホラー「あなたの彼女」 棗りかこ @natumerikako
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ショートホラー「あなたの彼女」の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます