ホラー小説を書いていたら良いことがありました
巧妙な叙述トリック、意想外の展開……どこをとっても大賞の名に恥じない作品でした。
人の皮を被った悪魔のような存在の恐ろしさと、それにただただ蹂躙されるしかなかった人の哀れさに後頭部がぞわぞわするような感覚を覚えました。
話の筋だけを追えば、上質なサイコサスペンスで、二転三転する関係性の逆転が何の違和感もなく、純粋な驚きと幸福な読書体験をもたらす種類の作品でした。そして、その核にいる佐嶋遊というヒロインの異常性、異常…続きを読む
文章力が尋常ならず高いです。それだけでなく、人生の荒波にもがく中でちらりと一瞬目に入るせびれや尾ひれのような一片の真理たちが、なんともいえぬ後味と厚みを物語にもたらしています。最後、種明かし的に語り…続きを読む
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