第4話 神様だって恋しいの
ゼウス「あ、ヘーちゃん?ボク、ゼッちゃん。元気にしてる?」
ある日の昼下がり、ゼウスはスマホで通話していた。
そのゼウスの様子から女性でおそらく彼の妻であるヘーラーだろう。
ゼウス「ボクの方も元気だよ~ハーちゃんもポセやんも元気ゲンキ♪そっちは?
変わりない?そっか~!」
ゴツイ体格から想像でもできないような撫で声と言った喋り方をしながら会話は
弾んでいた。
ゼウス「地上はまだまだ穏やかな感じとは言い難いけどもウチの周りはだんだん
前の感じに戻ってきてるね~」
それから世間話も弾んだのか、ゼウスの顔から笑みが幾度も出ていた。
ゼウス「おっと…流石に長々と話ちゃってゴメンゴメン。そろそろ終わるね。うん?大丈夫、大丈夫。また偶に電話するからさ。
地上も落ち着いてきたらそっちにも顔を出すさ。え、浮気はもう絶対やめて?…
うん、やらないようには…務めるからさ…
うん、それじゃまたね。あ、親父達にもよろしくと。じゃあね~♪」
ヘーラーとの通話を終えるとスマホを一旦机に置くとゼウスは一息付くように息を吐く。
ハーデス「だいぶ長電話だったな」
ゼウス「いやホント、ヘーラーのヤツ。心配し過ぎて終いには『地上の争いを私が全部終わらせれば逢えるよね?!』とか言い出してなぁ」
ハーデス「トロイア戦争の引き金の原因の1人が言ったら洒落にもならんわ」
ゼウス「流石に時代も違うし、他の神たちからクレームが来るからやめろと引き下がってはくれたんだけどな。あいつ、俺のことが心配し過ぎて時折ヤンデレどころじゃないことしでかそうとするからなぁ…まあ、そこが可愛いのもあるんだけどな!!」
ハーデス「惚気るのならエウロペ並みに愛して…いるのか…だとしてもそれでどれだけ多くの連中に迷惑掛けたと思ってるんだ」
ゼウス「ホントにな」
ハーデス「おまえも含めてだよ!!」
いつもの如くハリセンを含めたツッコミをおバカな筋肉ゼウスを張っ倒すハーデス。
ふとポセイドンが全く会話に入ってこないことに気づいたハーデスがポセイドンの方へと振り向いた。
ハーデス「何してるんだポセイドン?またバーチャル配信か?」
ポセイドン「・・・」
ハーデスの言葉にポセイドンは全く反応しなかった。
気になったハーデスはポセイドンの近くに寄って彼は熱心にパソコンのキーボードを叩いて何かを入力しているのがわかった
ハーデス「おい、ポセイドン。何してるんだ?」
ポセイドン「うん?あ、ハーデス」
ハーデス「何を熱心にやっているんだ?」
ポセイドン「いやーヘルメスに作ってもらったバーチャル用のキャラがVRにも対応できるようにしたとヘルメスからメールで聞いたからちょっとね」
ゼウス「ほうほう、それでそれで?」
案の定。バカが喰い付いてきた。
ハーデス「聞くのもアレだが配信のあのキャラに使いたいのか」
ゼウス「うん」
ハーデス「・・・そうか」
わかりきってたことだ。とハーデスはそう心中で思った。
ところが途端にゼウスは多い悩む様に腕を組んで思考し出した。
ハーデス「どうした?」
ゼウス「いや、ちょっと新キャラというかキャラリメイクしていきたいと唐突にな」
ポセイドン「ホント唐突だな。どうした急に?」
ゼウス「いや、別にこれといった考えがあった訳じゃないんだがな…」
ハーデス「・・・なるほど。おまえ、ヘーラーが恋しくなったんだな?」
ハーデスの言葉にゼウスがドキリと肩を震わす。
ゼウス「そ、ソンナコトナイデスゾ?」
その様子を見逃さなかった2柱がニヤニヤし出していく。
特にポセイドンの表情は下衆顔といっていいほどのにやけ顔だった。
流石のゼウスも我慢できなくなったのか
ゼウス「ぐわあああああ!!!やめろおまえら!!特にポセイドン、テメェは人のこと言えないだろうが!!」
神様の生活はこんなものなのかもしれない
神様だって恋しいこともあるのだと
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