デウスクロスライフ
貴宮アージェ
第1話 神様大地に立つ?
※日本のとあるマンションの一室
???「皆さん初めましてー!!Vアバターのゼウスデース!!よろしくネー!!」
???「おい、何をしている?」
部屋に入ってきた男が机に向い椅子に座ってマイク越しに自身の声を収録中の男の様子を見て呆れ果てていた。
ゼウス「なんだよハーデス。収録中なんだから入ってくんなよー」
ハーデス「そもそもギリシャの主神が何をバーチャルアイドル気取りでゲーム実況をしようとしているんだ!」
ゼウス「おまえの分もあるよ?」
ハーデス「そうじゃなくてなんで用意してるんだ!?」
ゼウス「おまえのは『真面目系で根暗っぽい感じだけども銀髪巨乳なおにゃのこ』にしておいたぞ」
ハーデス「ケンカ売ってるな?売ってるのなら盛大に買うぞこの馬鹿野郎」
ゼウス「ポセイドンももうやってるぞ?」
そう言ってゼウスは隣の部屋にいるポセイドンを指す。するとポセイドンの声が聞こえてきた
???「やっほーVアバターのポセイドンだヨー!元気してター?」
ハーデス「おまえもかあああああああ!!!!!」
冥府の神の絶叫が部屋に響くのであった。
※テーブルを囲んで神様会議なう。
ハーデス「で、地上に降りてきてまでおまえらは一体何をやからしているのだ?」
ゼウス「たまには下界に降りてバカンスでも楽しもうかな~と思ってさ。おまえも冥府に籠ってちゃカビるぞ?」
ハーデス「余計なお世話だ。あとバカンスと言いながら何ゲーム実況なんか始めとるんだ?」
ゼウス「いやだっておまえ。せっかく地上に降りてきたんだから地上で流行ってるものやりたくなるじゃん?」
ハーデス「だからと言っていきなりバーチャルアイドルとか何考えてるんだ!」
ポセイドン「まあまあハーデス。真面目だけども堅物過ぎるのがおまえの短所だぜ。カフェオレを飲んでリラックスしなって」
ハーデス「おまえらが短絡的で軟派過ぎるのも問題だと思うがな…砂糖は一杯でいい」
手渡されたカフェオレを一口飲むハーデス。
怒り心頭だったものの少し冷静になったのはため息を付きながらも
ハーデス「来てしまったものは仕方ない。骨休みも兼ねてしばらく滞在するのもやぶさかでない。ゲーム実況もVアバターもやる気はないがな」
ポセイドン「もー照れちゃってさハーちゃんはさー素直になろ♪」
ハーデス「五月蠅いケルベロス仕向けるぞ」
ケルベロス「「「やめてください」」」
ゼウス「何か聴こえた気がするが気のせいだね」
※閑話休題
ゼウス「まあ我らギリシャ三大神。崇められるとはいえ、常に天界で仕事ばっかしてるのは骨が折れるしさ」
ポセイドン「そうそう、たまには地上で現世の人間たちの生活に触れるというのもアリとは思うのよこれが」
ハーデス「おまえらの場合はただ単に口実付けてサボりたかったり、女性をはべらかせようとしてたり、ヘラから逃げたいだけだろ」
冥府の神のするどい指摘に冷や汗を掻く主神と海神。
そんな二柱に溜息を付きながらも
ハーデス「まあ偶にやってくるペルセフォネやプルートらにも息抜きは大事と散々言われてたからな…」
ゼウス「でしょう?ハーデス君はそこら辺生真面目過ぎるんだよ。他の冥界在住の神に多少押し付けても良いとは思うよ?」
ハーデス「管轄の違いがある以上、簡単にできるものじゃないんだぞ。様子を見に偶に戻らなければいけないし」
ポセイドン「それなら大丈夫。ヘルメスやカロンらも『本当に忙しくなったら否応なしに呼び戻すから遠慮なく骨休みしろ』と」
ハーデス「…その手際の良さをもっと他のことに活かせよ我が兄弟ながら…」
再び大きなため息をつくハーデス。
そんなこんなでギリシャの三大神の地上生活がゆったりと始まるのであった。
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