第2話 神様の日常:現代風

第2話「神様の日常:現代風」


・Ⅰ


ゼウス「ああ~エウロペちゃああああああん!!!」


ハーデス「なにやってんだあのキモいバカは?」


ポセイドン「ああ、ゲームに出ているエウロペのファンアート見て恍惚してるのよ」


よく見ると確かに有名ゲームに出ているエウロペのイラストを見ているようだ


ハーデス「エウロペに関してだけはアイツもそれなりの誠実さを見せてたな」


ポセイドン「そうだな。女神に関しては色々節操無い部分が目立ってたのにね」


ハーデス「それに関してはおまえも碌に言えないぞ」


明後日の方向を向いて口笛吹いて視線を逸らすポセイドン。


ゼウス「いやーホント2次元最高!!エウロペちゃんがこうも美人さんに描かれてるともう自分の様に思いますよ!

まあ、俺の嫁だけどね!!」


ハーデス「ヘーラーのことは知らんからな」


ゼウス「アイツにはどうかご内密に!!」


ハーデス「だったらSNSに載せてハシャぐのだけはやめろ!!」


五体投地でDOGEZAするゼウスにハーデスが釘を刺す。


ポセイドン「それはともかく、何やってんのハーデス?」


ハーデスのデスクの周りの資料などを見るポセイドン。


ポセイドン「せっかく人間界に来てるのに仕事してるのかよハーくん」


ハーデス「ハーくんって言うな。仕方あるまい冥府の仕事は基本的休むことはできん」


ゼウス「今思うと超絶ブラックだよな冥府」


ポセイドン「ああ、俺らだったら秒で放棄してるぜ」


ハーデス「貴様らだとそうなるから俺が引き受けたんだろうが」


若干キレ気味に二人を睨むハーデス。


ゼウス「とはいえ、せっかくのバカンスなんだからもうちょい肩の力抜きなって」


ハーデス「・・・そうもいくまい」


ポセイドン「真面目だなぁ・・・」


若干呆れ気味のポセイドン。そこへメール音が鳴り響く。


ポセイドン「おっとアマテラスちゃんからゲームのお誘いだ」


ゼウス「え、マジ?」


ハーデス「お前らいつの間にアマテラスとアドレス交換してた」


ポセイドン「いや~この前の正月時の宴会でさりげなくウズメちゃんを介してね」


ゼウス「一応言っておくが手は出してないぜ?仮にも日本の最高神。手を出したらどうなることか」


ハーデス「スサノオ辺りの激昂っぷりは容易に想像できるな」


暴れ回るスサノオらの図を想像してため息を突くハーデス。しかし仕事している手だけはしっかりと動かしていた。


・Ⅱ


ゼウス「なあ、そういえばそろそろお花見の季節だろ。今度宴会でもしないか?」


ポセイドン「いいね~今色々と暗いから賛成」


ハーデス「水を差すようで悪いがどこでやるんだ?流石に団体でやるには・・・」


ゼウス「いや俺たち3人だけ」


ハーデス「珍しいな。こういうことに関しては賑やかな方がいいと言うおまえが」


ゼウス「いや流石にここ最近の世の中色々あるじゃん。いくらバカンスに来てるとはいえ迷惑になることだけはできねえし」


ハーデス「貴様がそんなに殊勝ならトロイア戦争とか理不尽な条件を突き付けることなどしなかったろ」


ゼウス「アレはしょうがないだろ。神様としての職務なんだからさ」


ハーデス「あの一件、オーディンからはもうちょいマシな理由で戦争できたろってツッコミが来てたがな」


呆れた様子でそう言いながらハーデスはため息を漏らす。


ポセイドン「まあまあ。そのお陰でトロイアの英雄たちも色々後世の人間たちの創作で活躍してるんだからいいじゃないか」


ハーデス「そういう貴様は基本悪役でやられ役だがな最近」


ポセイドン「それ言わないで!!」


アテナ:『そもそも私の神殿でアホなことやらかしたのが原因でしょうが』


何か聴こえた感じがしたが気のせいにしておこう。


ゼウス「話がズレたが今度の宴会どうするハーデス?」


ハーデス「まあ陰気が過ぎるのは流石にどうかと思うから賛同だが周囲の迷惑になることは絶対やめろよ?」


ゼウス「当然、俺様はこれでも正義の神様なんだぜ?」


ハーデス「正義の神の割りには色々ヤらかしてるがな。エウロペ以外でもヘーラーに色々」


ゼウス「やめろー!!もう思い出させないでー!!」


ヘーラーの嫉妬深さによる仕打ちの数々を思い出したのかのたうち回るゼウス。


ギリシャの3柱は今日も平和に世を過ごしていた

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