第8話 ゴッドdeクリスマス

ゼウス「ジンゴーベル、ジンゴーベル…」


ポセイドン「ゴングがぁ~鳴る~」


カーン♪


ゼウス「テメェ、よくもその物件取りやがったな!!」


ポセイドン「ハッハー、早い者勝ちだ!!」


ゼウス「この野郎、ならこうじゃ!!」


ポセイドン「ギャー!?そこを塞ぐなぁ!!!」


ラウンド1、ファイ!


ハーデス「・・・相変わらず騒々しいなおまえら」


物件争奪ゲームの最新作で激しい戦い(リアルファイトはハーデスの権限で禁止)を

繰り広げるギリシャの主神格2柱に呆れた様子でそれを見ていたハーデスであった。


ゼウス「ハーデス。見てないでおまえも混ざれよ!!」


ポセイドン「そうだよ。CPU2組と一緒にやるのも飽きたから混ざってくれよ」


ハーデス「・・・済まんがそれはしばらくしてからな」


そう言うとハーデスはオーブンの方へと視線を移していた。

オーブンの中には丸い円形上の容器が鎮座していた。


ゼウス「なんだケーキ作ってるのか?」


ハーデス「ああ、クリスマスパーティをやるんだろ?だからケーキぐらいは自作しようと思ってな」


ポセイドン「今更だけどもハーデス、結構料理できるよね?趣味になってる?」


ハーデス「趣味、になってるのかはわからんが人間の料理はどれも美味しいものが多いからな」


ポセイドンの問いにハーデスはそう答えるとゼウスとポセイドンはうんうんと同意の頷きをする


ゼウス「わかるわかる。ジャンク系とか癖になるよね」


ポセイドン「牛丼とか美味いよね」


ハーデス「話が脱線しかけている感じがいるがまあ、おまえら二人が碌に自炊せずに俺にタカってくるのも起因だがな」


口笛を吹いてわざとらしく視線を逸らすアホ2柱。

それを見たハーデスはため息を吐きながらもボウルを持ってクリームを作っていた。


ハーデス「まあ今年はアテナたちもケーキを持ってくるらしいからな、お裾分けではないが

お互いのケーキを交換しようということになってな」


ゼウス「え、アテナ達がケーキ作るの?」


ハーデス「ああ、3柱がそれぞれ作るらしい。ケーキの内容は聞いてないがブッシュドノエルとかじゃないか」


ゼウス「マジか」


ゼウスは嬉しさよりも驚きを兼ねた言葉を漏らしていた。


ポセイドン「しかし、クリスマスってどういう日なんだろうな」


ハーデス「なんだ唐突に」


ポセイドン「いやさ、クリスマスって〇リストくんの生誕祭って触れ込みだけども彼の誕生日12月じゃないだろ」


ハーデス「元々はミサでその生誕を祝う記念行事だったらしいぞ。それが紆余曲折あって今の様な感じになったようだ」


ゼウス「なるほど。人間らしい考え方だな」


納得したように頷くゼウス。


ポセイドン「まあ祭は悪くはないがな…浮き足立ってるカップルには何故か怒気が沸き上がるがな!!」


ゼウス「わかる、おのれアベック!おのれリア充!!」


ハーデス「とりあえずはおまえらにだけでは言われたくはないだろ…」


そんなやり取りを続けているとオーブンは焼きあがったことを知らせる音を出し、

ハーデスはオーブンからケーキの入った容器を取り出し、焼き上がったケーキが姿を現す。

中々の焼き上がりにハーデスはちょっとドヤ顔をしてご満悦な表情を浮かべる。


ハーデス「よし、上手くできた!!」


ゼウス「おお、この状態でも美味そうだな」


ハーデス「今日のは所謂試作みたいなものだから簡素な飾り付けしたら試食してくれ」


ポセイドン「お、食べていいの?」


ハーデス「ああ、とりあえずは感想を言ってくれ。本番ではそこら辺を改善していきたい」


ゼウス「よーしオリュンポス一のグルメ神の裁量、特と御覧じよ!!」


ポセイドン「いつ言われてたっけ?」


ハーデス「知らん」


そんなやり取りをして評価は上々で更に満足気だったハーデスは

クリスマス当日は更に美味しく腕によりをかけたクリスマスケーキを作り上げ、

アテナ達からも絶賛された

クリスマスプレゼント的な意味でも大成功を果たすのだった。

その後、ハーデスは妻であるペルセポネーたちにもクリスマスケーキを振舞ったと

されているがハーデス本人は黙秘を貫いたそうな・・・メリークリスマスbyイエスな人

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