第9話 神様の初詣
ゼウス「新年あけましておめでとうございます」
ポセイドン「おめでとうございます」
ハーデス「もう1月も半分過ぎてるがな」
いつもの調子でハーデスは兄弟である
ギリシャの主神2柱に突っ込みを入れる。
部屋ではいつもの様に3柱がいつも通りに過ごしていた。
アテナ「いつも通りで安心しましたというか呆れますね…」
アマテラス「休暇とはいえ神様らしくもうちょっと威厳保って良いと思うよ~」
ハーデス「アテナにアマテラス神か」
ゼウス「あけおめーしかし新年早々辛辣じゃないか」
アテナ「早々ではなく遅々ですね」
ポセイドン「だってさー年末年始は天界の年越し大宴会だったしさ~」
アテナの辛辣な物言いにゼウスとポセイドンは言い訳の様に
天界で行った一大イベントである各神話の神々が一堂に会するもので
ぶっちゃければポセイドンの言う通りの宴会である。
ハーデスたちは31日に帰郷し、そのまま三が日は天界で過ごしていたのだ。
そして正月が終わって帰宅し、それからずっと今までだらけている状態である。
アテナ「だからと言ってダラケし過ぎです」
ハーデス「もっと言ってやれ」
アマテラス「でもダラケたくなる気持ちはわかるけどね。私なんて元日から初の日関連で大忙しだし」
ゼウス「アマテラスちゃんの気持ちわかるよ~」
ポセイドン「おいおい、オリュンポスの主神がそこは同調すんなよ…」
ゼウス「おまえも似たようなモンだろ」
ハーデス「お互い様だ、バカ」
そんなやり取りをしているとそこへアテナからドローンが飛ばされ、そこからヘルの声が聞こえてきた。
ヘル『アヌビスから聞いたけどもアポロンまた仕事ほっぽったってマ?』
ハーデス「通話機能付きドローンとかいつの間に…」
ヘル『ヘルメスとオモイカネが嬉々として作ってたよ。特許出願するつもりらしいよ』
アマテラス「通るのかな?」
アテナ「さあ」
ゼウス「話を強引に変えさせてもらうが唐突だが今から初詣をしたいと思うのだが?」
急にゼウスがそんなことを言い出した。
ハーデス「ホントに唐突だな。というか既に1月もだいぶ過ぎたのに今更初詣というのもおかしくないか?」
アテナ「そもそも初詣は人間たちの行事で神様への挨拶ですから私たちは既に済ませているのですけども?」
2柱の意見も最もだとヘルの操るドローンは頷きを再現するようにドローンを上下する。
ゼウス「いやでもさ、新年になったしせっかく下界に来ているのだからそういうことをやるのも悪くないじゃないか?」
ポセイドン「確かに。色々人間のイベントもやっていきたいという計画もあるしな」
ハーデス「何それ初耳なんだが?」
アテナ「多分突発的な思い付きなんでハーデス様が知らなくても当然だと思いますよ」
ゼウス「失礼な!ちゃんとポセイドンとは話をしていたはいるんだぞ」
ハーデス「それで俺が聞いてないのなら意味無いだろ!!」
最もなツッコミである。
ゼウス「とにかく初詣しようぜ。丁度日本神話の大神であるアマテラスちゃんもいることだし」
アマテラス「ええー私、三が日ずっと出ずっぱりだったからもうやりたいくないんだけども」
面倒臭いといった雰囲気を身体全体で表現するアマテラス。
ゼウスはそんなこと言わずにー、と説得を行う。
そんな様子をため息を混ぜながらハーデスは言った。
ハーデス「まあ、良いんじゃないか。神といえども1年の願いを叶えるのはおかしくはないだろう」
アマテラス「しょうがないな~…じゃあほんのちょっとだけね」
アマテラスの言葉にガッツポーズをするゼウスとポセイドンを見ながらアテナは呆れた表情で見やる。
その後、屋内とはいえ、簡単な初詣の準備を整えたハーデスらはアマテラスを前に祈願するのであった。
ハーデス(神様が祈るのもおかしな話ではあるが今年もみんな楽しく過ごせることを…)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます