今ここに、永遠の祝福を。

 長編『飛鳥』の後日談となる御作。『飛鳥』ファンには垂涎の一作である。しかし、この一作を拝読しても、異民族の和やかな雰囲気と、少女が女性として結婚するまでの過程が見事に調和し、永遠の祝福がもたらされることに、感動するだろう。また、本作から長編をご覧になっても、違う見方が出来そうだ。
 長編時には幼い少女だった鳩(本名ではなく呼び名)が、本作の主人公である。鳩は幼い少女から立派な女性へと美しく成長し、結婚に臨む。そのために設えられた豪華な衣装。幼子たちの姿。弦楽器の音と歌。過酷な戦を乗り越えた人々は、手を取り合い、花嫁と花婿を祝福する。その光景に、平和を想う。
 民族考証に定評のある作者様が手掛けた物語だけあって、異民族の結婚という難しいテーマも、細かく描写されている。
 皆様にお勧めだが、特に民族に興味・関心がある方に強くお勧めしたい。
 出会えたことに、感謝したくなる一作です。

 是非、御一読下さい!