歌う鳥 ―『飛鳥』番外編

作者 石燈 梓(Azurite)

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★★★ Excellent!!!

煌びやかな花嫁衣装に身を包んだ娘の心の迷いは、かつて憧れた歳上の人が奏でる馬頭琴(モリンフール)の調べと、その緑柱石の瞳に優しく見つめられることで……


中央アジア風異世界ファンタジー『飛鳥』の番外編です。本編の重厚な語り口はそのままに、適度な「遊び」も忘れずに、さわやかな読了感を与えてくれる、とても素敵な短編でした。

ツイッターで私が勝手にリクエストした『トグルと鷲が馬頭琴バンドを組んで歌うセルフ二次創作(本当にスミマセン!)』というお題を、本編のイメージを崩さずに、こうも見事に書き上げてしまう作者様の力量に、惜しみない拍手を!

ちなみに、本作に登場する歌詞は作者さまの創作だそうです。これがまた、良いのですよ……

★★★ Excellent!!!

 長編『飛鳥』の後日談となる御作。『飛鳥』ファンには垂涎の一作である。しかし、この一作を拝読しても、異民族の和やかな雰囲気と、少女が女性として結婚するまでの過程が見事に調和し、永遠の祝福がもたらされることに、感動するだろう。また、本作から長編をご覧になっても、違う見方が出来そうだ。
 長編時には幼い少女だった鳩(本名ではなく呼び名)が、本作の主人公である。鳩は幼い少女から立派な女性へと美しく成長し、結婚に臨む。そのために設えられた豪華な衣装。幼子たちの姿。弦楽器の音と歌。過酷な戦を乗り越えた人々は、手を取り合い、花嫁と花婿を祝福する。その光景に、平和を想う。
 民族考証に定評のある作者様が手掛けた物語だけあって、異民族の結婚という難しいテーマも、細かく描写されている。
 皆様にお勧めだが、特に民族に興味・関心がある方に強くお勧めしたい。
 出会えたことに、感謝したくなる一作です。

 是非、御一読下さい!