清潔で柔らかい場所。

例えばだれかを愛しいと思ったとき、たくさんの言葉を費やしてその人を称賛するという方法もある。
シェイクスピアみたいに。
あれはあれでよかった。いやむしろスタンダードである。なにせ大先生だから。
だが現代は何もかもあって、言葉の価値もわりと昔よりは下がってしまったかもしれない。そんなとき、言葉の選び方、あるいは「どう書かないか」が重要になってくる。
書かないことでどうその愛しさを伝えようか?
花の匂いが一瞬かすめるのは、この飄々とした話の奥を、読者がかきわけていこうとしたときあらわれる。
清潔な香りがしている。

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