第8話　もし人間がスパゲッティーモンスターの眷属だったら

　スパゲッティーモンスターは全知全能の神である。

　この宇宙は空飛ぶスパゲッティーモンスターが大酒を飲んだ後に作られ、信者は海賊の衣装を着てこの全知全能の神を崇める。

　この世界がインテリジェントデザインによって成立しているのならば、即ちこのスパゲッティーモンスターこそがインテリジェントとして我々をデザインしたのだ。

　さて、そんなインテリジェントの塊である全知全能の神であるスパゲッティーモンスターは、今日も人間の身長を低くしようとその触手を伸ばしていた。しかしながら、スパゲティーモンスターは或る日気まぐれで人類の増加数を高めに設定したことを忘れ、人類の背を低くすることができず、現代の人間は背が高くなっていた。

　全知全能の神であるスパゲッティーモンスターはとりあえず人類を多めに作ろうと思って、信者にラーメンと祈りを捧げさせたことをすっかり忘れていたのだ。

　スパゲッティーモンスターは今日も人類の背を低くしようと人類の頭を押さえつけようとする。しかしながら、人類はスパゲティーモンスターがデザインした通り、オートマティックにすごい勢いで増えていくのである。



　　　　　　　　　　了

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう！

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録（無料）

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る