第9話 もし人間がプログラムなら
人類はいつしか肉体を捨ててプログラムとなった。
人間はその肉体を電子の海に沈めたのだ。
即ち、DNAの塩基配列、ATCGを01の世界に変換することによって、人間という存在をプログラムと変換して存在させたのである。
さて、人類が肉体をプログラムに変換したのℋ、即ち肉体をデータ化することによって人類を容易に繁殖させて遠い宇宙まで輸送するためである。
新しい人間を作るのも、二つのプログラムのデータをスクランブルで混ぜ合わすことですぐに新しい人間を作れるようになった。
人間はプログラム→肉体、肉体→プログラムという相互の移動が容易になった。
「それじゃあ、アンドロメダに僕を送ろうか。増やさないとね」
シリウス近くに住んでいるレオは、自らのコピーをアンドロメダまで送り出そうと思った。
シリウスが滅んだ場合、自分という存在を後世に伝えることが難しいからだというそのような不安が湧いてきたからだ。
さて、レオは自らをコピー安堵ペーストで増やす。
「レグ、頼んだよ」
「うん、了解した」
そして、レオは友人のレグに頼んで、増やしたいくつかの自分のうち半分ほどを、レグと掛け合わせる。そうすることで、新しいプログラムを生み出して思いがけない強いプログラムが生まれるのだ。
どちらかというと、アオミドロの交雑に近いものがある。
こうして、人類は宇宙に広く広く広がっていくのだ。
了
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