ずっと変わらずにいてくれると思ってた。でも、変わらない物なんて、ない。

 小さな神社の御神木の自叙がから始まる物語。
 主人公が幼い頃から話を聞いてもらう相手は、この御神木だと決まっていた。大学生になっても、それは変わらなかった。ある日、御神木に失恋を報告していた主人公は、失態を犯す。誰もいないと思っていた神社に、人がいたのだ。失恋話を聞かれたかもしれない、と焦る。しかしその男性は、散歩中に神社に立ち寄ったのだった。不思議な癒しを与えてくれる彼に、主人公は様々な話を聞いてもらう。
 そしてその内、彼のことが気になり始める。しかし変化を恐れる主人公は、彼に告白できずにいた。やっと告白しても、台風の影響でしばらく会えなくなる。
 台風の威力に、御神木のことが気になった主人公は、神社に向かう。そこで主人公が目にしたのは、今までとは違う御神木の姿だった。

 最後には希望溢れる展開が待っています。
 変化を恐れていても、必ず変化はやってくるということを教えてくれる物語。

 是非、御一読下さい。

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