第6話 ウイスキーフロートの裏切り 3
翌日、現場となった学校の一室に先生たちと警官そして石狩と島井警部がいた。校内には、生徒が一人もいなかった。休校にしたらしい。
「それでは、今回の自殺事件についての会議を始めます。宜しくお願いします。」
全職員と警察が立ち上がり、
「宜しくお願いします。」
とそろって挨拶をした。
「今回の被害者は、
三年生 機械 広門 日菜喜 18歳
部活動 ロボット部に所属していました。」
と島井警部が言った。そんなことは職員全員、知っているのに。
「自殺したのはいじめが原因だと思われます
今の段階で質問はありませんか?」
静かな時間が数秒たって、石狩が手を上げた。
「どうしたの?穂波ちゃん。」
(こんなときでも下の名前で呼ぶのは、やめて欲しい)と石狩は思った。深くため息をつき、
「ある一人の生徒から、二週間前にいじめがエスカレートした。と言う証言がありましたが、二週間前に何が起きたのですか?」
全職員に聞いてみたが何故か場が凍るような空気になってしまった。沈黙は数分続いた。
「どうやら、やばい質問のようだね。」
いくらポンコツの島井警部でもわかったようだ
すると勢い良く扉が開く音と男性の声がした。
「すみません。被害者から信頼されている先生は誰ですか?」
そこには音無がいた。
「君!勝手に入るな、と何回言えば分かる。」
島井警部が注意するも完全に無視をして、質問を繰り返した。
「被害者の広門君から信頼されている先生は、誰ですか?」
職員全員がまだ黙っていた。
「答えませんね。おおよそ被害者の学科と同じ機械専門の先生でしょうね。」
と言いながら一人の職員の前にたった。
「担任のあんたが何で生徒と同じ証言をしていたか、気になっていたんですよね。」
その人物は、被害者のクラスの担任で部活動の顧問の先生
木々 和弥 43歳
「待ちたまえ、何故担任を疑う。」
島井警部の質問に半笑いで答えた。
「だって、担任で顧問ですよ。部活動でも一緒だから明らかに怪しいでしょ。」
部活動の関係でほぼ毎日会っている。確かに、信頼されている。と言ってもおかしくない。
「で、二週間前に被害者の広門君に何をやりましかた?」
そう言って、木々に詰め寄ると、
「授業中に、広門君の就職について話した。」
「内容は、」
更に音無が詰め寄ると、
「3回目の就職試験についてです。2回目の就職試験に落ちた事をまだ広門君はまだ皆に言っていなかった見たいで」
呆れた。授業中に秘密をバラした。広門君の目の前で、常識的にありえない理由だった。
「それが、いじめがエスカレートした原因ですか」
「この学校には、いじめ対策にアンケート調査をしているのに、なぜ気づかないのかな?」
島井警部の質問に、職員ではなく。音無が答えた。
「どうせ、誰かが捨てたんだろ。
教育委員会に送るから」
職員の顔が青くなった。
後に、調べるとごみ捨て場からいじめの事が書いている紙が何枚も見つかった。(いじめから生徒を守る教師がそれを隠すのは、腐っている。)
そう思い、石狩は、ハイボールを一気に飲み干した。
「そんな勢いで飲んだら潰れますよ。」
音無が注意するも石狩はカクテルを要求した。
「この前のカクテル」
ため息をつき、作り出す音無を見て質問をした
「前のカクテルの意味は何?」
だいぶ酔って来ている石狩に、鼻で笑い、答えた。
「ウイスキーフロート
意味は、楽しい関係
どんな人でも信頼から裏切られるのは、絶望ですよ。」
そう言って、カクテルを出した。
カクテル探偵 @allaka
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