第4話 ウイスキーフロートの裏切り 1
11月3日 月曜日 午前8時頃
田川市内の工業高校で生徒一人が首を切り自殺した。と通報があり現場に向かった。
広門 日菜喜 高校三年生 機械 18歳
死因 大量出血 右手にカッターを持っていた。
現場 学校内のトイレ
現場に石狩と島井警部が入ってきた。
「もうすぐ卒業するのに、自ら命を落とすとは
かなり辛い事でもあったのかな。穂波ちゃん」
こんなときでも下の名前で呼ぶ島井警部を無視して石狩は立ち上がり、
「じゃあ、事情聴取行って来ます。」
「あ 僕も行くよ。」
第一発見者は、
佐藤 貴樹 高校三年生 建築 18歳
「朝、登校した後にトイレに行ったらカッターを握って血を流している人がいたので先生に、報告しました。」
クラスが違うので名前は知らなかったのだろう
次に報告を受けた先生に話を聞いた。
加賀野 唯史 生徒指導部担当の先生 31歳
「佐藤君から話を聞いて、見に行ったら血を流している広門君がいたので佐藤君を教室に戻し警察に通報しました。」
話の途中で別の先生が入ってきた。
「失礼します。加賀野先生 生徒が集まって来たので、そろそろ全校集会お願いします。」
学校内で自殺が起きたから今日は、休校にするだろう。
「分かりました。すみませんがここで失礼します。」
部屋を出ようとする加賀野を島井警部が呼び止めた。
「待ってください。すみませんが広門君と同じクラスの人は残しておいてください。」
「分かりました。」
そう言って加賀野は部屋を出た。
被害者がいたクラスに行って見ると一つの席を除いて19人全員座っていた。かなり少ないクラスだが空気は重かった。
生徒一人一人に広門君の様子を聞いてみたが
「特に変わった事は、ありません」
担任とほとんどの生徒とがそう言っていた。
しかし、一人の生徒がこう言った。
「広門は、いじめられてました。」
「いじめられていた。誰が広門君をいじめてましたか?」
島井警部が質問をすると、
「けして僕の名前を言わないでください。」
「分かりました。」
「いじめをしていたのは、
高杉 幸吉
森谷 琉斗
渡部 陽輝です。」
恐らく、彼らに言うなと言われたのだろう。
「貴重な証言していただきありがとうございます。」
被害者の広門君は、いじめが原因で自殺をしたのだろう。石狩と島井警部はそう思った。
しかし、なぜ担任も生徒と同じ証言をしたのだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます