第5話 ウイスキーフロートの裏切り 2

 被害者をいじめていた

高杉 幸吉 高校三年生 機械 18歳

森谷 琉斗 高校三年生 機械 18歳

渡部 陽輝 高校三年生 機械 18歳

の3人に個別の部屋で同時に話を聞いた。

高杉は、いじめを認めた。理由は、

「殴る度に面白い反応をしていて、顔も気持ち悪いからです。」

あまりにも下らない理由だった。


森谷は、いじめを認めたが一部否定した。

「いじめはしていましたが殴ったりの暴力はしていません。スマホで撮っていましたけど消しています。」

暴力ではなく撮影をしていた。消したとしてもいじめていた事実は変わらない。


渡部は、いじめを否定した。

「やってません。俺は言ってただけです。」

悪口を言う。その言動で人はかなり傷つく事を知らずに。

新しい証言がでた。

「前々からいじめられていたが二週間前からエスカレートした。」

と一人の生徒が言った。


  (いじめが原因で自ら命を落とすこれ以上に悲しい事はない。身近な大人に相談しないで、)

そう思って、石狩はBarに向かった。ため息をつきハイボールを飲む石狩を見た音無は、

「どうぞ」

一杯のカクテルを出した。

「サービスですか。」

音無は黙ってグラスを拭いた。石狩がカクテルを飲み終えると、

「今度はどんな事件ですか。」

と音無が聞いた。

サービスでカクテルをただで飲ませて事件を聞く軽く犯罪だが仕方なく石狩は事件の内容を語り始めた。

事件の内容を聞いた音無は、あることが気になった。

「恐らく、反応が面白いのからいじめが始まったけどエスカレートした原因は別にあるんじゃないですか。」

「原因が2つある?」

石狩が思わず声に出した。

「はい。二週間前に何が起きたのか、気になります。」

それを聞き、石狩は深くため息をした。

「あのね、原因なんてどうでもいいんです。

いじめをしている時点で大人たちは気づくべきなんです、、、」

話を続ける石狩に音無は更に気になる事を言った。

「それになぜ自殺した少年は大人たちに相談しなかったのか、気になります。」

言われてみると、確かにおかしい。いじめられている事を先生に相談できたはずなのに、相談しなかった。

「もしかして、相談しないではなく相談できない。」

と石狩が言うと、音無は

「恐らく、いじめがエスカレートする二週間前に原因があると思います。」

と言った。

「ありがとうございます。」

そう言って、石狩は店を出た。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る