カクテル探偵
@allaka
第1話 ハイ・ライフに気を付けて 1
9月13日 水曜日 午前10時
田川伊田駅から徒歩数分の所にある2階建てのアパートに多くの警察官がいた。
そこに、ようやく島井警部が到着し、立入禁止テープをくぐり抜け殺害現場である2階の部屋に向かった。現場には、すでに石狩 穂波がいた。
「遅いですよ。島井警部」
「ヒーローは、遅れて参上するものだよ。
穂波ちゃん」
(いちいち下の名前で呼ぶんじゃね)
石狩は、心の中でそう思った。「ふぅ~」とため息をつき、状況を話した。
「被害者は、片山 崇彦 21歳
死因は、頭部を鈍器で打たれたのが原因です。」
死体のすぐ近くに血の付いた灰皿が転がっていた。部屋は荒らされていないが、テーブルの上には、数本のビールの空き缶が散乱していた。
すると島井警部は、ニヤニヤと笑い語り始めた。
「おそらく殺害するときに使った鈍器は、
その灰皿 そして、テーブルの上にある空き缶からして、被害者は、殺される前に誰かと飲んでいたことがわかった。」
(現場を見ればすぐ分かるだろ)
石狩は、言いたいことを(ぐっ)とこらえた。
呼吸を整えて
「事情聴取いきましょう。」
「僕も、そのつもりだよ。」
第一発見者のは、同じ階に住む
廣井 耕也 34歳
「会社に出勤するときに扉が開いているのに気付き覗いたところ、片山さんが血を流して、倒れていたのですぐに警察を呼んだ。」
と証言していた。だいたい第一発見者が犯人のパターンがあるが、嘘を言っている雰囲気はなかった。
次に、一階に住む
滝野 小幸 26歳
「朝 ごみを出すときに、片山さんとすれ違いました。」
それを聞き、島井警部は目が光った。
「それは、何時頃ですか?」
「確か ニュースの占いを見た後だから
6時です。」
かなり貴重な証言が出た。被害者は、
午前6時から10時の間に殺害されたことが
わかった。
気付くと辺りは、暗くなっていた。(今日はここまでか)と思っていると部屋で手がかりを探している捜査員が何かをを持ってきた。
「警部 被害者の部屋から写真が出てきました。」
写真には、被害者の片山さんと一人の女性が写っていた。写真を見た滝野小幸が言った。
「この人は、中島 奈海 片山さんの恋人 です。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます