優しい化け猫の遺した、一生の傷

島に残る猫又の伝承。
なぜか彼女が見えるようになってしまった、わたしの過ごした十五の夏。
かつては見えた人が居て、いつか見えなくなる人と居る。
五百年を永らえてなお、生来の猫のように気ままな彼女。
例え忘れたとして過ごした時間は消えないと言う彼女の事を、どうして忘れる事ができるだろうか。
きっと今でも。あの伝承は続いている。

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