第2話 大人も疲れる

視点 瀬川エリカ


はあ、今日も疲れた。

と言っても、エステの仕事はとても楽しいしやり甲斐もある。

何より綺麗な女性を私の手でより綺麗にするのはとても幸せだし達成感もある。

お客様の嬉しそうな顔、それを見るだけで私も癒されてるし。

ありがたいことにご予約もいただけて、休憩0でも精神的に満たされてるからそんなに疲れない。


問題は夜のバイトのほう。

将来自分の店が欲しいからって、その為にはとてもじゃないけどエステの仕事だけじゃ資金が足りないからって、安易に風俗を選んだのはやはり間違いだったかしら...

ありがたいことに歳の割にそこそこ売れてるのだけど、もうストレスが半端ない!!

ただでさえ男性嫌いだし、さらにおじさんってすごいしつこいし。

本番交渉してくるのを毎回笑顔で断るのも疲れてきた...

しかも嫌味言われるし。

「顔は良いのにノリ悪いよね。冗談も通じないの?」って言ってくるけど、もし私がいいよ〜って言ったら絶対本番するでしょ。

まあそんなおっさんがいてくれるおかげで資金も稼げるし、日本経済も回るのだけど。

いや、日本経済を消費で回してるのは主に女性って聞いたことあるわ。

女性は綺麗な物や可愛い物、好きだものね。

私もだけど。


可愛いといえば、最近よく行くカフェの店員さんが可愛いのよね〜。

いつもニコニコしてて、愛嬌もあってまるで子犬みたいな子。

身長高くてスラッとしてるんだけど、なんかイメージが子犬みたいなのよね。

明るくて若くて眩しくて、私にはないものばかり持ってる子。

イライラしてどうしようもない日は、あの子の顔を見て癒されたくて、つい通っちゃう。


今日はいるかしら?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

視線と微熱 来華 @rainu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ