そこに居なくても『在る』

可愛くて、コミュ力お化けで、頭も良くて、スポーツもできる。そんなスーパー転校生朝露に、主人公大輔は『儚い』と感じます。
その正体が、読み進めるごとに明らかになっていく。

そこかしこに散りばめられたきらきら輝く朝露のような文章を読んでいるうちに、作品世界に没入していきます。世界は文体に宿るのだと確信させられる作品でした。

また、この主人公大輔が、今後どのような人生を送っていくのかと思いを馳せるのは、読後の楽しみだと思います。
私は一瞬バッドエンドを想像したのですが、最後の数行に作者からの救いがあり、ハッピーエンドを想像しなおしました。

私は昼下がりに、早朝の朝露を湛えた道端の草を思い出しながら、それが黄昏に染まる姿を想像しました。

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