私は地味な生活がしたいの。イケメンは関わってこないでください

05 お願いだから関わってこないでください

　まったく気の休まらない時間を屋上で過ごした後、教室に戻ったら多くのクラスメイトから詰め寄られた。

「ねぇっ、〇〇くんとアドレス交換したって、本当！？」

「人前で合うのが恥ずかしいから、隠れてこっそり会う事にしたってどういう事っ？」

「二人ともつきあってるの！？」

　はぁぁぁ！？

　ちょっ、目立ちたくないって言いましたよね。

　どういう事！？

　何で話が広まってるんですか！？

　と、光の速さで当のイケメンに視線をおくると「あれ、何か違った？」という顔。

「相田さん人見知りなんでしょ？　だったら、まずメールから人と会話する事を練習しなくちゃ。皆とも交換しておいてあげたからね」

　ちがぁぁぁうっ！

　この天然無自覚爆弾落とし！！

　あなたアホなんですかっ。

　イケメンのアホって相当タチ悪いんですよ。

　自覚してください。

　それとも、わざと！？

　あなた本当は私の事嫌いなの！？

「これから、いっぱい人の見てないところで話をしたり、楽しくしようね」

　瞬間、教室が阿鼻叫喚で包まれた。

　嫉妬やら、黄色い歓声やら、その他もろもろやらで。

　イケメンよ。

　私は地味な生活がしたいんです。

　お願いだからそっとしておいてください。