05 イケメンからは逃げられない
フラグ回収。
結局、来た。
イケメンよ、何でくる。
「あーあ、仮病だったんだ。ひどいな相田さーん」
うわぁ。
何なのこのイケメン。
私に恨みでもあるの?
何で追いかけてくるの?
それ好意じゃなくって、百八十度方向転換して悪意じゃないの?
屋上に避難して安心してたら、肩叩かれた時の絶望感、半端ないですよ?
仕方が無いので、ぶっちゃけました。
「目立ちたくないんですよ。はっきりいって。人に注目されるとか嫌なんです」
「えー、何で。皆と一緒に話したりするの楽しいよ。遊ぶのも」
「人にはそれぞれのペースとか、基準とか、距離感とかがあるんです。私はちょっと離れてるくらいがちょうど良いんです。ですから放っておいてください」
そういうとイケメンは悲しそうにしながら「分かった、相田さんがそう言うなら」と言った。
「でも、話はしたいから、人のいない所でなら口を聞いてくれるよね」
「えっ、まあ」
そりゃ、目立たないなら口をきくぐらいは良いけど。
「じゃ、まずはメールから」
「あっはい」
はっ、つい流れで。
罪悪感で判断が鈍った。
ついうっかり頷いてしまった。
イケメンは、アドレス交換した後、うきうき気分でその場を離れていく。
そんなイケメンの背中を見送ってから、そこはかとない不安にかられた。
ああいうタイプは天然だから、好き好んで一人になってる人間の視点で物事を考えるのがちょっと欠けてる。
面倒な事にならなければいいんだけど。
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