このシリーズに自分がとやかく言うことはもはや必要ないように思う。
他の方のレビューを見ても分かるでしょう……楽しい! 面白い! これに尽きます。
そうして勿論この『4』から読んでもらってもいいけども、どうせなら『1』も読んでほしい。
一緒にボーイミーツガールのヤキモキを楽しみましょう!
そうしてですね、やっぱり二人の仲は遅々とした歩みなんですが、着実に進んでいると思っています。正直まだそこなんかい! と思うこともあるのですが、横から急かすわけにもいかないし。
でもですね、今回は最後に虹村さんがやってくれました。いいパスでしたねぇ……月ノ下君の顔が目に浮かぶようでした。
本編の物語の設定や狙いについては筆者ご本人が巻末で説明されているので、自分は読者としての推しどころをひとつ。
メインの二人以外もね……いいんですよ……。
先に述べた生真面目な虹村さんなんですが、良いところで良いパスを出すんですよね。彼女については個人的に第二集の『カセットテープと余桃之罪』が大変おすすめです。このお話の中では彼女が主役と言っても過言ではないと思ってます。
日野崎さんはボーイッシュな女の子で、言葉も行動も男子に負けず劣らずなところがありますが、登場した『「嫌悪の残響」とサッカー少女』以外でも凄く女の子らしい反応をするところがあります。これ、きっと本人が聞いたらとんでもなく怒るんでしょうけど……ギャップに萌えますよね……。
と、いつまでも続いてしまうのでひとまずここまで。
第五集も楽しみです!
大好きな放課後対話篇の4作目です!
本作は、主人公の月ノ下真守君と星原咲良さんが、放課後に二人で対話をしながら学校で起こる事件や不可解な出来事の解決について対話しながら解決していく物語です。
毎話ごとにテーマが定められており、そのテーマに関連する相談が持ちかけられます。
各話、丁寧な伏線とトリックが張り巡らされ、それを推理するのを楽しんでいます!
私は毎話推理を外していますが、結末に納得!こういうことだったのか!と読みながらどハマリしています。
そして、また推理して楽しんでいます。ミステリーってこんなに面白いんだ!と思う作品です。
登場人物たちは一生懸命に、時にコメディタッチに!
さらにキュンとなるシーンも。
部活や友情、恋愛が丁寧にリアルに描かれているので物語の世界に自分が入り込むような感覚で引き込まれます。
4作目となり、月ノ下君のさらなる成長も見られ成長物語としても応援しています。
とても読後感の素晴らしい作品です。
ぜひ御一読下さい。
今シリーズは、青春らしく甘く口当たりが良い謎解きが多いです!
『バレンタインデーと印象の虚像化』は、依頼人の男の子と月ノ下くんが、チョコが貰えない哀しみゆえにやらかすシーンが最高で……! しかししっかりとミステリーしていました。
『創られた伝統と部室争い』は、黒幕がとんでもねぇ奴でしたよ。ええ。こいつはやべぇ。
『無生物への共感と消えたぬいぐるみ』は、人は負い目があるとパニックになってしまうんだろうな、とわかるミステリーでした。
(※これらは大分ギャグコメでした)
しかし、それだけではないのが放課後対話篇シリーズ。
『イラストの盗用とミームの功罪』は、我々創作者が常にぶち当たる問題を取り扱っており、
『集団意志と荒らし書き込み』は、今だからこそ読んでもらいたい、SNSの悪意と正義という名の扇動の恐ろしさに切り込んでいます。
しかしこれらはほぼ、月ノ下くんと星原嬢の甘い後日談がセットとなっております!
え、ここで終わりですか先生!? こんなことってある?
続編を求めます!!!!
このシリーズ、とにかく面白いんです。
なにが面白いのか?
意外なストーリー展開と、絶妙なキャラクターと、斜め上をいくミステリと、ちょっと好奇心をそそる雑学的なテーマ設定……
これらがなんとも軽やかな文章と世界観で語られていきます。
学園でおこる不可解な事件や困りごと、それに巻き込まれるのが主人公の月ノ下君。
彼にさりげないアドバイスとヒントをくれる博識の星原さん。
この二人の名コンビが、事件の意外な真実を浮き彫りにしていきます。
この二人のコンビの活躍を横糸にするならば、縦糸は事件を通して描かれる社会的・人間的なテーマでしょうか。
印象からつくられる虚像、集団意志のコントロール、造られた伝統、無生物への心の投影。
そんなちょっと興味深いテーマが事件の芯になっています。
そしてこの二つが巧妙に織り上げられることで見えてくる鮮やかな推理劇。
これがもう「見事」の一言です。
推理ものが苦手な人でも楽しめるし、推理が好きな人であればこのちょっと変わった切り口がクセになると思います。
とにもかくにも多くの人に読んで欲しい作品です。
作者の「楽しんで欲しい」という気持ちと、そのための苦労がすごく感じられる素晴らしい作品でもあります。
物語は連作短編のスタイルなのでどこから読んでも楽しめますが、もちろん第一弾から読んで欲しい!
面白さは保証付きです。
長年愛される名作には、それぞれお決まりのお話のパターンがあります。
例えばホームズ。依頼人がホームズの元を訪ね、ホームズがその依頼人がどのような人物なのかをたちどころに見抜き、明晰な頭脳で依頼を解決するのを相棒のワトスンが書き伝える。基本的にはそのパターンでどのお話も展開されますが、そのパターンから繰り出されるストーリーのバリエーションは極めて豊富で、パロディも含めて私たち読者を百年以上も飽きさせません。
本作、『放課後対話篇』にもストーリーの型があります。
高校を舞台とした本作では、数々の依頼人が主人公・月ノ下くんを訪ね、お人好しの彼はそれを引き受けます。彼はそれを博識なヒロイン・星原さんと相談・推理し、あれこれと悩みながらも解決(あるいは妥当な着地点)にまで導いていきます。
月ノ下くんたちを応援しながらも、たくさん雑学を知ることができたり、社会問題に対する新しい考え方を学べたり、知的刺激に溢れている本シリーズも第4作目。本作に収められている全ての短篇にレビューをしたいところですが、そうすると長くなってしまいますので、今回は2つの短編に絞って、簡単にレビューさせていただきます。
『イラストの盗用とミームの意味』
月ノ下くんはこの日も相談を受ける。依頼人曰く、友人のイラストが他の生徒に盗用されたとのこと。イラストを盗んだ女子生徒は、「インスパイアされただけ」とシラを切り、一筋縄にはいかない。その件に絡めて、イラストを盗まれた美術部の女子生徒の不審な動きも捜査の目に止まる。彼女はひとり美術室に残って何をしていたのか? 月ノ下くんはどうやってこの件を一見落着させるのか?
テンポのいい文章にグイグイと引き込まれました。テーマも理解しやすかったです。私は他人に見られながらだと集中して作業ができない体質なので、(作中の美術部の子も同じなのかな)なんてシンパシーを感じていましたら、全くの検討違いでした……笑
『創られた伝統と部室争い』
雑草研究部が神社に毎月お供えしている山菜が、何者かによって回収されていることに気がついた。学校の職員がやったのでないのなら、犯人は一体誰なのか? そして何のために?
消えた山菜の謎は、雑草研究部と同じプレハブを部室として使う化学部の部室の使用権を巡るいざこざにも繋がっていき……。
幾重にも張り巡らされた伏線が収束していくラストスパートはあっぱれでした。個人的には、本作の中で最高傑作だと思います。
圧倒的に面白いです。上の2つの短編以外も、たいへんな佳作揃いです。プロの作家さんの中でも、これだけ書ける人は少ないでしょう。ぜひ皆様にご一読をお勧めします。
シリーズ物です。
すでに4作目です。
なので、できれば無印の『放課後対話篇』から読まれることをオススメします。
学園で様々な厄介事を解決してきた月ノ下は一部では有名人。
今日も彼のもとにはトラブルを抱えた人が相談にやって来て……。
それぞれの話にテーマがあり、考えさせられます。
時々雑学が披露され、勉強になります。
登場人物も実際にいそうな人たちばかり。
トラブルも本当に起こりそうなものばかり。
月ノ下は金にもならないことに懸命です。
彼のガールフレンドである星原の存在も大きいです。
スキのない話の作り方は健在。
安心して読めるので気になった方はぜひ!
前作にあたる「放課後対話篇1~3」も見事な出来映えですが、この「放課後対話篇4」において、私が強く思ったことは、
「学校って、こんなに面白い場所だったっけ?」
という点です。
別に懐疑と共に、こう思ったわけではなく、その時の感情は懐かしさと、少しばかりの後悔。
もちろん、学生生活において良い感情だけが想起されることはないでしょう。
ですが、その苦い感情さえも、懐かしさを感じてしまう。
そう思えるほどに、その類い希な筆致で描き出される学校生活のなんと瑞々しいことか。
それと同時に恐るべきは、4まで同じ舞台でありながら、むやみやたらに舞台を広げるのでは無く、ここに居たって、ますます身近な舞台でさらに謎を創造する、その力量。
もちろん、貫かれてきたテーマへの考察もさらに深く。
今まで読んでこられた方も、新しくこの物語を知った方も。
是非とも読んでいただきたい。
前作に続いての拝読です。
月ノ下くんと星原さんの二人は不動の安心名コンビ。
今回はバレンタインを題材とした事件もあり、少し距離が縮まったり良い感じ。
加えて、明彦くんや日野崎さんが出てくると、これまでの物語が思い出されてテンション上がります!
相変わらず博識で鋭い星原さん。天然草食系月ノ下くん。
事件を追うテンポや熱意も学生としてちょうど良く、不自然さがまったくないのが「上手いなぁ」と毎回唸らせられる要素の一つです。
こんなに上質なミステリー小説をぽんぽん生み出せる作者様の発想と筆力に脱帽です。
なお、本作品を含めた「放課後対話篇」全篇は「第6回角川文庫キャラクター小説大賞」へ応募されるとのこと。
この名作が良い評価を得ますよう応援しております。
また第4弾が完結しても、第5弾を楽しみにしています。(気が早い?)