音楽は終わっても、物語は続いてゆく
- ★★★ Excellent!!!
単なるジュブナイルの枠では捉えることのできない青春小説です。
誰もが通過する幼き日の追憶が、哲学の領域まで掘り下げられ、テーマに設定された音楽に乗せて進行する――
書かれているというよりもむしろ、奏でられていると言いたくなるような心躍る感覚を禁じえません。
主人公たちの出会い、葛藤、成長を通して、物語は続いていく。
それはきっと、音楽がやんだあとも。
誰もが知っている、けれども忘れてしまったあのときめきが、ここに封印されているような気がします。