音楽は終わっても、物語は続いてゆく

単なるジュブナイルの枠では捉えることのできない青春小説です。

誰もが通過する幼き日の追憶が、哲学の領域まで掘り下げられ、テーマに設定された音楽に乗せて進行する――

書かれているというよりもむしろ、奏でられていると言いたくなるような心躍る感覚を禁じえません。

主人公たちの出会い、葛藤、成長を通して、物語は続いていく。

それはきっと、音楽がやんだあとも。

誰もが知っている、けれども忘れてしまったあのときめきが、ここに封印されているような気がします。

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