web小説の最強攻略本

「納得せざるを得ないweb作家あるある」というのが第一の所感でしたが、本作は実質「すべてのweb作家のためのweb小説最強攻略本」であると言えます。

内容は主人公がweb小説に対する疑念や葛藤を通して、高みを目指していくという構造になっております。

しかし読み手のわれわれとしては客観的に、「なるほど、こういうアプローチがあるんだな」という気付きが満載のあんちょこになっているわけです。
この構成の発想がまず、すばらしい。

作者様の秀逸な点は、かといって「闇堕ち」している作家を決して否定しているわけではないということに尽きます。
この「寛大さ」が本作の面白さのひとつでもあるのではないでしょうか。

元はSNSに掲載されていた作品とあって、非常に読みやすいです。
ウィットに富んだ皮肉の裏側にある、おそらく「すべてのweb作家様を救済したい」という信念にも似た筆致に、深く心を打たれる名作となっております。

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