脱皮

べつに脱皮することが若者だけの特権とは思わないのですが、おそらく若者だけが似合うささやかで煌めくような脱皮はあるんだろうなと今現在の年齢を迎えて思うことはありまして。

脱皮で脱ぎ捨てた表面の薄皮は「こうあるべき」の空気になじむために纏った行動様式かもしれないし言葉の使い方かもしれません。
たとえば「ぜんぜん勉強してない」とテストの前に主張するような何かです。

その表皮が破れ、煌めきがほとばしり出る瞬間を、我々読者だけが垣間見る素晴らしい短編でした。

是非ご一読を。

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