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この物語の題名である『ブラッディ・ローズ』
これが物語の始まりであり終わりでもある。

この話はよくできている。
謎が謎を呼び、不気味な影が始終付き纏う。
だけどその間に、主人公レフィスという大人に差し掛かったくらいの少女の性格に何度も救われる思いがした。

ドジで、あまり色気もなく、冒険者になるために街に出たは良いけれど、ランク外のストーンレベル。使えるのは独学で勉強した白魔術のみ。
無い無い尽くしの彼女だが、唯一持っているものがあった。
優しさと正義感と馬鹿正直さ。絶対的に人を騙せないし、絶対的に人を助けてしまう。自分には力もないけれど、優しさは誰より持っている。

そんな彼女がパーティを組む。その三人は揃いも揃って美男美女で、遥かに彼女より強い力を持っているのだが。
初めは組むはずのなかった三人はなぜ彼女と組むことになったのか……

そこにはいろんな理由があって……

笑いあり、シリアスあり、ドキドキハラハラの合間にほっとする部分もあり、何も持たないはずの彼女はいつの間にか彼らの中心にいる。
彼らの目的は遥か先にあってそれに邁進していく姿が美しくもある。


読み進めるたびに驚きがあり、夢中になりました。
文章も風景描写力がある作家さんなので、感動するほどの色合いを見せてくれます。
ご堪能あれ!



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