第27話 主人公は選ばれし者?
ストーリーを読んでいると、こんな設定に頻繁に遭遇します。
またかよと思う、その設定は良いのか?悪いのか?
自分の作品の主人公に、どんな生き方を求めるのか?
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1.主人公の親・先祖は、主人公と同じ分野で最強だった。
2.主人公は短所を持って生まれ、短所が長所に変化する。
3.偶然により特殊能力やチートを得る。
4.ダメなままの主人公
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1.主人公の親・先祖は、主人公と同じ分野で最強だった。
主人公には、強くなる遺伝素質・最適環境があった。
特にスポーツやファンタジーに多い。親ガチャに選ばれし者。
ストーリーの初期には公表されておらず、話が進んだ時点で判明する事が多いです。
規格外に強くなる理由として納得がいきやすい展開しやすいですが、生まれながらに強くなれるかが決まっているのは、読み手側的に親ガチャに外れた者には絶望に感じます。
「努力では限界を突破できない」「モブ家に生まれたら、モブにしかなれない」と感じます。
例えば、鬼滅の刃は煉獄杏寿郎は「家系的に優れて、なんでもすぐできる者」、宇随天元は「才能に恵まれずに努力でのし上がった者」として描かれます。
しかし、宇随天元だって忍者の家系に生まれた者であり、家系・生育環境において「親ガチャ最高クラス」に該当します。
主人公である竈門炭治郎は「日の呼吸が使いこなせない」「生まれつき額に痣はない」とか、「選ばれし者じゃない感」を振りまきますが「ヒノカミ神楽」を習得できる体質・環境を持っている時点で十分、生まれつき選ばれし者です。
親・先祖は最強例
・ドラゴンボール(孫悟空はサイヤ人)
・テニスの王子様(親は有名テニス選手)
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2.主人公は短所を持って生まれ、短所が長所に変化する。
弱いから思いやりのある人になったり、頭が悪いから単純な訓練をがむしゃらに繰り返したり。
存在感のない人が気配の消せる忍者になったり。モテないからモテるために危険をかえりみなかったり。
「長期の努力が実を結ぶ場合」と「性根や性格が評価され、何者かから力が与えられる場合」とあります。
努力のみ派は「選ばれなかった者」。力が与えられた場合は、「選ばれし者」。
昔風な熱血スポ根的な「頑張れば誰でも報われる」的な希望が持てやすいですが、「さとり世代」のような現実に諦めているタイプにとっては「フィクションまで努力したくない」とか「努力かっこ悪い」「熱血うざい」的な感覚はあります。
長期の努力が実を結ぶ例
・アイシールド21(パシリをやっていたら走りが早くなった)
・弱虫ペダル(オタクで自転車で店まで通っていたら持久力がついた)
何者かから力が与えられる例
・僕のヒーローアカデミア(人を救おうとする姿勢が評価され、能力が託される)
・チェンソーマン(悪魔を助けた事で、悪魔と契約する)
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3.偶然により特殊能力やチートを得る。
近年に多い「異世界転生でチート能力が与えられた」とか、王道の「魔法のアイテムを拾ってしまったら変身してしまった」みたいな展開。
完全に運で「選ばれし者」。
凡人がいきなり能力を得る事で、そこからの成長・人生の改善を描く事で共感が得やすかったり、現実逃避として「あり得ない好展開(いきなり最強やモテモテ)」が好まれたりします。
「お約束」「ご都合主義」が多いので、現実味がない、ずるい、与えられてばかりで主人公に魅力が感じにくくなったりします。
特殊能力やチート例
・オーバーロード(異世界でいきなり最強・部下にモテモテ)
・プリキュアなどの魔法少女シリーズ(いきなり妖精などが来て変身)
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4.ダメなままの主人公
特に何の能力が優れるでもなく、日々の生活や失敗を描く展開。
自分も「やるな」と思う近親感や失敗を笑える安心感が得られる。選ばれなかった者。
コンプレックスの強い人にとっては、笑えない。
ダメなままの例
・おそまつさん(ニートのままの6つ子生活)
・ドラえもん(のび太君は能力低いまま)
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主人公の価値観や設定は、自身の本音・本心が出やすいです。
また、ネット小説は「最初に趣向が見えないと、読むのをやめやすい」ので、早めに主人公や話の性質をあけすけにあらすじやダグなどで伝えてしまう方が読み進められやすいです。
以上。
小説を書くのに便利な情報をまとめてみた よるもあけぼの @yorumoakebono
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