一方通行の想いのループはぐるぐるぐる…と最後はどこへ——

それぞれに個性豊かな片思いの人たち。

苦い恋あり、堂々巡りの恋あり、達観した大人の恋あり……
そんな片恋たちが絡み合い、もつれ合い、各々が大事な何かを発見していきます。

トルストイのアンナ・カレーニナの冒頭の有名なフレーズ
「幸福な家庭はどれも一様に見えるけど、不幸な家庭は皆それぞれに不幸である」じゃないけれど、
幸せな恋は同じように見える一方、片思いの恋はそれぞれに苦く切ないものだ。

そんなふうに感じながら、一人一人の登場人物のエピソードを追っていました。

”最後”は、最後までわかりません(笑)

そして、最後の最後になっても——

——本当に、人間の心理、感情は複雑でおもしろい。

恋愛の形を取りながら、そんなことまで描いてみせてくれた作者さんに拍手喝采を贈りたいです。


セリフ(アイテム)の回収も、テーマの筋の通し方もしっかりとしていて、心に刻みたいような名言も随所に散りばめられていて。
これを書き上げた作者さんの力量にも感嘆しました。

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