これほど"本物"のサイコパスを描いた作品があっただろうか?いや、ない。

 サイコパス、という言葉は簡単に使われ過ぎている気がする。
ちょっとばかり冷酷だったり、無感情だったりすると、簡単にサイコパス呼ばわりをされるし、言われた当人も若干うれしげだったりするお手軽な精神医学用語だ。

 しかし、この物語の主人公であるローはそんなファッションサイコパスではない。

 徹頭徹尾、己の目的に忠実で、それを果たすためならば洗脳だろうが虐殺だろうが自己改造だろうが、「面倒がないし、便利だから」という理由だけで無感動に淡々と実行していくのだ。まさにガチモンのサイコパスである。

 この作品はそんなとんでもない主人公を中心に置いた群像劇とも言えるだろう。異世界転生者が俺TUEEEEできる要素が一切ないダークファンタジーとも言えるだろう。人によっては、何かまた別の見方をしているかもしれない。だが、そんな安直な括りに収まるような作品ではない。

 物語はちょうど佳境に差し掛かっている。あくまで自分の目的のために世界の危機と対峙する主人公が一体どんな結末を迎えるのか……。

 まったく予想もつかないが、その瞬間を共に迎えるために、いますぐこの作品を読みはじめようではないか。

 蛇足ながら、最後に一言だけ付け加えておこう。

 それにつけてもローさん、脳筋過ぎぃwww

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