曖昧な根拠で公から『萌え絵』を排斥する行為は規制に他ならない

性的強調表現は女性のステレオタイプを増長する、という意見も分からなくもない。
しかし性的強調表現によるステレオタイプの増長は教育で解決すべき問題であり、
公の機関から『萌え絵』を排斥する根拠たりえず『教育の失敗』の責任を『萌え絵』に押し付けているだけでしかない。
また公共機関の広告に関してはとらわれの聴衆事件という前例がある。
これは列車に拘束された状態で商業放送の聴取を一方的に強制するものであり、人格権の侵害であるとして大阪市を相手どり、市の不法行為・債務不履行を理由に商業宣伝放送の差止めと慰謝料の支払いを求めた裁判だ。
それに対して裁判所は『聞きたくない音によって心の静穏を害されることは、プライバシーの利益と考えられるが、本来、プライバシーは公共の場所においてはその保護が希薄とならざるをえず、受忍すべき範囲が広くなることを免れない。一般の公共の場所にあっては、本件のような放送はプライバシーの侵害の問題を生ずるものとは考えられない』と棄却されている。
現状にいい換えれば『萌え絵によって心の静穏を害されることは、プライバシーの利益と考えられるが、本来、プライバシーは公共の場所においてはその保護が希薄とならざるをえず、受忍すべき範囲が広くなることを免れない。一般の公共の場所にあっては、萌え絵はプライバシーの侵害の問題を生ずるものとは考えられない』ということである。
よってこれらの状況から公から『萌え絵』を排斥する行為は規制に他ならないのである。

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