あとがき

 ある夜。不意にチャットツールが新着メッセージを告げる。

  ま の発言 : もうだめだ

  ま の発言 : タイマソCRPGやろう・・・

 かれこれ〇年前のこと。友人「ま」氏からの唐突な二行のチャットメッセージが、そもそもの始まりでした。

 戸惑う鳥位名。しかし八レス目にはノリに流され乗り気の勢いとなり、GM(ゲームマスター)はジャンケン、キャラクターはダイスランダムという具合で決まり、空ノリだけで開始。一対一のC(チャット)RPGは三夜に渡り、最終日には九時間不断というギネス級の伝説セッションを成就したのでした。

 思えば長らくオフラインでのセッションが滞っていた時期。お互いにフラストレーションが限界に来ていたのでしょう……。

 と、この作品はそのログを元に、臨場感を活かしつつ大幅な編集を加えて小説仕立てにしたものです。リプレイ小説といっても、明確なゲームマスターがいるわけでもなく、ダイスロールを使うわけでもなく、チャットで繰り広げられた「リレー小説」的なものです。

 最初は一応私がGMとなったものの、一対一なのでどちらが主導ともなく、しかも後半からは「ま」氏に交代したので、結局私は世界観と話の切り口を提示した程度です。編者として私の名前で発表させて戴いたものの、あくまで二人の合作であり、特にストーリー展開は「ま」氏によるところが大きいのです。


 世界観は、外伝ということで思い切って既存のファンタジー世界を超えたパラレルワールドを設定しました。一度やってみたかった、ロシア革命前夜あたりのシベリアの風情です。

 子供キャラが多い我々仲間にしては珍しく大人キャラ二人、しかもシーフということで、シックな雰囲気を意識してみました。にも関わらず、それらをぶち壊すようなコミカルロールプレイが入るのは、仕様です(笑)。


 さてその異色のコンビですが──

 アイグルは私のキャラです。作中通り、タタール系のイメージです。今回の「シベリア風」も、この設定を活かそうと試みた舞台です。気さくで飄々とした人物を出したいのですが、どうもただの悪ノリに陥りがちです(汗)。

 グレイは「ま」氏の相棒ですが、一時期はずっとGMを担当されていたのでPC(プレイヤーキャラクター)として活躍の機会がなく、後半になるとアイシャにメインの座を譲ったので、とかくキャラが薄いことで「無口、謎だらけ」と銘の付くキャラでした。「ま」氏作の外伝小説にキャラを滲ませる程度だったので、今回は希な素顔を見せた表舞台です。


 もともとゲーム的要素が薄い上に、編集に当たっては一般向けも意識したつもりですが、一部にTRPG特有の要素も入っているので、それらをご存知の上で読んで戴ければ一層苦笑して戴けるかと思います。

 未熟な点、お見苦しい点も多いかと思いますが、少しでも楽しんで戴ければ幸いです。


◆主要人物

・アイグル・カラバエヴァ

 シベリア奥地森林地帯のタタール(ロシア方面におけるモンゴロイド系少数民族の総称・この子の場合はシベリアのトゥバ共和国あたり)出身、密偵組織の一員で腕の立つ19歳の娘。うちの子。

・グレイ・ジェイド

 放浪の旅のシーフ。少々ニヒルな男。友達「ま」氏の子。

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雪灯 鳥位名久礼 @triona

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