恋人は権力者!!

語弊を恐れず端的に言うならば、ライトノベルは「許しの文学」と言える。
その系譜にあるネット小説の多くも、また同様だ。

家族、恋人、仲間、権力、宗教、あるいは自分自身が愛する何か――たとえ世界の全てに否定されても、自分を許してくれるものがある。
物理的であれ精神的であれ、何かに許されることにより、自分が存在することができる。
これこそが全てのライトノベルが共通して描く芯であり、ジャンルの根底と言っても良い。

弱者として異世界に放り込まれた主人公を庇護した聖女は、家族であり、恋人であり、仲間であり、権力者であり、宗教者であり、自分が愛する相手でもあった。
つまり、最強の守護者だ。つよい。

庇護を外れたら即座に殺されそうな状況からスタートした主人公は、最強の守護者だの下、「ヒモ」の類語としての「悪の宰相」となって、自分の命を守ることになる。

ところで、物語において「許し」を与える者は、もう一つある。
その最後の一つが「自己肯定」なのだけれど、その辺りは本編にて。

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