命を賭けた乙女の復讐物語

姉を無残に殺され、復讐のために柳生の剣を学ぶ明音(あかね)。
岩をも一刀に両断する『天狗斬りの剣』を身に着けようと必死に修行するが……。

なんとも言えない、心が張り裂けそうになる読後感ですが、時代小説ならではの悲しさ、侘び寂びを漂わせる、胸を打つ物語でした。

普通の仇討ち物語では、爽快感や達成感が押し出されることが多いですが、本作の仇討は、まさに復讐という言葉が相応しい、まさに己の全てを賭けた命がけの行為であり、それがどのような結末を迎えるのか、ぜひ読者様自身で確かめて頂きたい名作です。