最近、サメ映画が流行りみたいですね!
この小説にも恐いサメがたくさん出てきますよ☆
若者たちの間で大流行の動画サイトFree。
そのサイトにはシャークファイトというチャンネルが存在している。そのチャンネルで閲覧できるのは『人間がサメから逃げ回ったり、戦ったりする』動画。
サメと対峙する挑戦者は『サメの匹数×逃走時間(分)×100万円の賞金』を手に入れるため、チャンネルの閲覧者は『命がけの逃走や戦い』を娯楽として楽しみ消費するため、この企画に参加します。
章が変わるごとにチャレンジャーが変わり、それぞれ参加の事情も違うので、最後まで新鮮な気持ちで読みつづけられました。
こんな命がけの無謀な企画に参加する人たちなので、なかなか個性的な面子がそろっています。サメとの戦いにも手に汗握りましたが、参加者の人となりを読むのも面白かったです。
ドキドキ、ハラハラできる恐ろしい物語が読みたい人におススメ!
各章ごとに主人公が異なるが、どの主人公も題名の「シャークファイト」に挑戦する。単純に「人食いザメVS人間」ではない。二人同時にサメと同じ檻に入る場合もあれば、複数で入る場合もある。そこで試されるのは、人間同士の絆。疑心暗鬼を生んだら最後。血を流したら最後。そして、金銭感覚が、狂ったら最後だ。
各章ごとの主人公たちの他に、警察、サメ漁師、檻を作る技師など、様々な人々の視点で物語が進行するのが、この物語に奥行きを与えている。何故漁師たちはサメ漁に手を出すのか。何故技師たちは檻を作ったのか。そうせざるを得ない状況が、それらの人々にはあったのだ。
そして何と言っても「警察VSシャークファイト運営」という構図だ。広大な海から、警察は運営側を追い詰めていく。これが息もつかせぬ攻防を見せる。警察の捜査の中に散りばめられた知識が、物語に現実味を持たせている。
絶対に、読んだ方がいい。
是非、是非、御一読下さい!