閑話1 コックリさん(事後処理)

全編side Bのノリということはどういうことか。

アクセルベタ踏みってことだ。


2 事の始まり(https://kakuyomu.jp/works/16816927863205636014/episodes/16817139557926158118)より

 ・葬送儀礼の一環に口寄くちよ

  伊勢のミチアケ、秋田の仏下ほとけおろし、はな寄せ、

  七くら寄せなど。

  一応東北方面にかたよってはいる。

  参考資料は柳田国男の『葬送習俗事典』

  (河出書房新社)



3 不審者が言うことにゃ1(https://kakuyomu.jp/works/16816927863205636014/episodes/16817139557926456751)より

 ・非公式な神職女性

  イチコとか歩き巫女みことか。


 ・ごっこ遊びレベルの真似事まねごと

  たとえば、昔の子供たちは彼岸花を使って、

  お葬式ごっこをして遊んだとか(茎を折って撞木しゅもく

  見立て、花をかねに見立てて打つマネを

  するらしい。『日本俗信辞典 植物編』

  (角川ソフィア文庫))

  とはいえ、おしら様遊び、おしら様遊ばせに

  使われるように、神が「遊ぶ」と言う用例が

  日本にはある。古語の「すさぶ」も

  関連するか。


 ・神使しんし

  他にここに出してないのだと、七福神の大黒天と

  大国主が習合し、もともと大黒天がねずみを使い

  としたこと、大国主が根の国の野原で素戔嗚すさのお

  焼き殺されそうになった時にねずみに助けられた

  ことから、ねずみは大国主・大黒天の使いとされる。



4 不審者が言うことにゃ2(https://kakuyomu.jp/works/16816927863205636014/episodes/16817139557926583450)より

 ・パラダイムシフト価値観の転換

  Paradigm shift。訳すなら、模範の移行、とか?

  ルビを振った通り、劇的・革命的な常識の変化

  である。


 ・仏教においても動物より人が~慈悲を持て

  仏教の功徳くどくを積む方法に

  放生ほうじょうというものがあるが、

  これは生きたまま売られている魚等を

  買い取り、そのまま逃がしてやる、という

  ものである。

  後に、放生ほうじょう用に生き物を

  あきなう者も出るようになった。

  大々的に寺院でこれを行うものを

  放生会ほうじょうえと呼ぶ。

  ただし、これに対して反論をこころみる

  ような「これでやっとこの現世からおさらば

  できると思ったのに放生ほうじょうしやがって」

  とうったえてくる説話も

  (『古今著聞集』巻二十 六九二

  「東大寺とうだいじ春豪房しゅんごうぼうならびに主計頭かずえのかみ師員もろかずはまぐり

   海にはなち夢に愁訴しゅうそを受くる事」)

  マタギ等の間に伝わる獲物を得るためのまじない歌の

  「野辺のべむ獣 我に縁無くば 長き闇路に

   ながまよはん」も考え方は同じかもしれない。


 ・扶箕ふき扶鸞ふらん

  扶乩ふけいとも。

  桃または柳の木で作ったYないしT字の乩筆けいひつ

  一人または二人の乩手けいしゅが支え、

  乩手けいしゅの一人に神が降りる。

  この神が砂や香灰を敷き詰めた沙盤しゃばん

  記号や文字を書き記す。これを卓頭たくとう

  呼ばれる解読者が解読し、結果は書き留められ、

  この書き留めたものは乩示けいじという。

  この占いの起源は、六朝の江南地域の正月に

  行われていた請紫姑せいしこと呼ばれる風習にあり、

  かわやの女神の紫姑神しこしんを降ろした人形などの

  動きから養蚕等の吉凶を占ったものである

  という。

  これが宋代以降、科挙の問題予知目的で使われる

  ようになり(是非は置く)、みんしんになると乩示けいじ

  通俗道徳の規範の書物となって、より普遍的なもの

  として広まったという。

  『道教の神々と祭り』、『中国の呪術』

  (共に大修館書店)が参考。


 ・シノワズリ

  chinoiserie。フランス語で「中国風の」。

  17世紀から最盛期とされる18世紀半ばぐらいまで

  ヨーロッパで流行った中国趣味文化。

  19世紀半ばに再熱したらしく、ウィジャ盤や

  プランシェットの発生はこの再熱時期に近い。

  また、この再熱は時期的にはジャポニズムと

  影響しあってもおかしくないので、

  もしかしたら両者合わせて極東趣味とでもいう

  感じだったのかもしれない。

  ……東方趣味オリエンタリズムはアラブ世界じゃからな。


 ・アレイスター・クロウリー

  オカルトの魔術方面かじってて知らない人も

  そういない有名人。変人奇人のたぐいであることは

  否定のしようもないが、近現代魔術の体系化に

  貢献したのは事実と言っていいんじゃないか?

  ウィジャ盤に対してのスタンスについては

  『西洋交霊術の歴史』(原書房)が参考資料。



5 不審者が言うことにゃ3(https://kakuyomu.jp/works/16816927863205636014/episodes/16817139557926835138)より

 ・何故か『異常』という言葉はマイナスなニュアンスとして使われがち

  なんでだろうね?

  異常終了Abendだって七割方ログみりゃ解決できるのに。

  ※私怨



6 不審者が言うことにゃ4(https://kakuyomu.jp/works/16816927863205636014/episodes/16817139557927004020)より

 ・互恵性ごけいせい互酬性ごしゅうせい

  文化人類学で言われるやつ。

  人間間の贈与や取引によって発生し、

  互いの関係性によってその度合いが異なる。

  同等の交換で成立する均衡的互恵きんこうてきごけい原則

  (対等、商売)、

  与える物>返される物の普遍的互恵ふへんてきごけい原則

  (庇護、保護)、

  奪う物>見返りの否定的互恵ひていてきごけい原則(略奪、搾取)

  の三つに分けられる。


 ・悪魔召喚~対価は必ずしも必要ではない

  悪魔召喚の手順の多くは、

  神の名のもとにおこなう場合、

  悪魔側から見たら「神の名による嫌がらせを

  やめさせたかったら言う事きけ」という

  なかなかに傍若無人なもの。

  だから、聖別した道具を使えとか、魔法陣に

  聖四文字テトラグラマトンとかアドナイだのエロヒムだのきざむのよ。

  そりゃ、魔法円から絶対に出すなと言われる。

  ただまあ、このあたりの歴史かじると悪魔崇拝って

  元はキリスト教的陰謀論の行き着く先の非現実の

  存在だったんだな、って気がしてくる。



7 不審者が言うことにゃ5(https://kakuyomu.jp/works/16816927863205636014/episodes/16817139557927105567)より

 ・猿神さるがみ退治

  昔話、および『今昔物語集』巻二十六 七話

  「美作国みまさかのくにの神、猟師りょうしはかりごとりて生贄いけにえめしこと

  に見える話。

  生贄いけにえの娘を求める猿神さるがみを旅の猟師や僧が

  生贄いけにえの娘が入る長びつに犬をひそませ、

  猿神さるがみをやっつける。

  『今昔物語集』の話では痛い目に合わされた猿神さるがみ

  「もう生贄いけにえを求めない」と約束するが、

  昔話においては犬によって殺される場合が多い。

  また、悉平しっぺい太郎伝説のように、

  猿神さるがみの手下たちが「悉平しっぺい太郎に知らせるな」

  と言ったのを僧が聞き、悉平しっぺい太郎が

  何者か探し出して、猿神さるがみと対峙させるなど、

  猿神さるがみ側が特定の犬の名前を漏らす場合がある。


 ・生贄いけにえにされた犬の話

  何度橋を架けても流されてしまう場所に

  橋を架ける時に悪魔が現れ、今度は

  流れないようにしてやろう、と取引を持ち掛けた。

  悪魔の提示した条件は完成した橋を

  最初に渡るものの魂だった。

  この取引をとして、工事は完了したが、

  取引条件の魂についてはある若者が考えがあると

  言った。

  この若者はグリムという犬を飼っており、

  この犬は若者の言うことをよく聞く犬だった。

  若者は橋の片側にグリムを連れて来ると、

  自分は反対側に回り込み、グリムを呼んだ。

  主人に呼ばれて橋を渡ったグリムは死に、

  取引によって悪魔は犬の魂を手にすることになった。

  以来、この橋はキルグリム(グリムを殺した)橋と

  呼ばれるようになったという。

  これは『世界の水の民話』(三弥井書店)が

  参考資料。


 ・犬の怪異の話

  シャーロック・ホームズの『バスカヴィル家の犬』

  のモチーフになったブラックドッグやヘルハウンド、

  チャーチグリムと呼ばれるタイプの犬の怪異がいる。

  基本的には出会うと死ぬ、狙われるなどと言うが、

  中には旅人を守ると言われるものもいる。

  これは『世界の妖精・妖怪事典』(原書房)が

  参考資料。



8 不審者が言うことにゃ6(https://kakuyomu.jp/works/16816927863205636014/episodes/16817139557927197630)より

 ・タヌキやむじなは舌先で化かす

  だからといって間抜けでないわけでもなく、

  心中しようとした恋人の片方を化かした結果

  自分が死ぬタヌキもいる(心中方法が

  釣瓶つるべくくりという互いの

  重さを利用するものだったため、

  軽いタヌキの方がよく首がしまった)

  このあたりは『妖異博物館』

  (ちくま学芸文庫)、『日本俗信辞典 

  動物編』(角川ソフィア文庫)が参考資料。



9 不審者が言うことにゃ7(https://kakuyomu.jp/works/16816927863205636014/episodes/16817139557927319174)より

 ・宇迦之御魂うかのみたま大年神おおとしがみ

  大年神おおとしがみはいわゆる年神としがみのこと

  なので、とし=としである。

  宇迦之御魂うかのみたまは『日本書紀』の

  厳稲魂女いつのうかのめ、『倭名類聚抄わみょうるいじゅうしょう』の

  稲魂の項目で「うけのみたま」、「うかの

  みたま」の読みが上がっているところから、

  稲の神格化と考えられる。


 ・稲妻いなずまの語源

  「雷がよく鳴る年には米が豊作となる」

  =稲をよく実らせる妻/夫つまなので、稲妻いなずま

  なお、雷が鳴ることが米の豊作に繋がることに

  ついては単なる迷信とは言い切れず、

  雷が鳴ることでリンが空中に放出され、

  そのリンが肥料の役割を果たしたと考えられる。


 ・野干やかん

  このあたりの習合の流れは

  『狐の日本史─古代・中世びとの祈りと呪術』

  (戎光祥出版)参考。

  野干やかんだけでなく、射干やかんのような

  表記もある。


 ・イルカやクジラの仲間のイッカクの牙がユニコーンの角とされたやつ

  日本にも江戸時代には「うにこうる」として

  入ってたとかなんとか。

  『和漢三才図会わかんさんさいずえ』の第三十八巻 獣類に記述がある。


 ・江戸時代までくると

  江戸初期には江戸に多いものとして、

  「伊勢屋いせや稲荷いなりに犬のくそ」と

  言われるほど。

  しかし、一方で一度稲荷いなり

  まつったらしっかりと面倒を見なければ

  ならないというように、荼枳尼天だきにてんからの

  影響と思しきものもある。

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