僕の二十歳のお祝いに

数年に一度不思議なものを見た。

子供の頃は毎年見ていたのに。

じいちゃんが死んでから、一度も見ていない。世界が静かになってしまった。

そんな僕の周りを、二十歳になる少し前から時計が回ってる。

触れないし、他人に見えない。

その時計が鳴った時、不思議な時計屋の前にいた。

そこの店主から、じいちゃんの掛け軸と、子供の頃の思い出を見せられる。

それはじいちゃんからの二十歳のお祝い。

元の場所に戻ってきたら、世界が少しだけ、騒がしい気がした。