生きる意味を考える一時が欲しい人へ…

 亡くしてしまった大切な人と話せるという設定が白眉だと感じました。あくまでも「話せる」であって「生き返る」ではない点、そこにちょっとした悲しみ、ちょっとした喜びが詰まっています。

 会える訳ではなく、話せるだけという筝を自分に当てはめて考えると、この物語が持つ冷たさと温かさ、陰陽、相反する要素を矛盾なく包み込むものを感じ取れました。

 自分ならばどうしたか、どうするかを胸に置きながら、丁寧に描かれた登場人物の物語を読んでいくと、この10万字を超える長編を、気が付けば何度も読み直してしまいます。

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