重厚な文章と少年の危うさ。まるで、読者も夜闇に引き込まれたかのような錯覚を起こします。夏の夜にぞくりとしたい方はぜひ。おすすめの作品です。
冒頭の数行の硬さに一瞬ひるみかけたが、持ちこたえて読み続けたら、たいへん満足。擬古文調というか、漢文翻訳調というか、独特な文体が癖になる。こういう文体を書けることも才能ですね。ずいぶん昔に読んだ、中国の幻想怪奇譚を集めた文庫本のなかの一話のようでした。その水準とふんいきを有している。一文ずつに作者の知識が詰まっているので、流さずにしっかり読むことをお勧め。
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