列車の向かう、その先に。

 がたん、ごとん。列車はひたすら進む。その中に、少年が一人で座っていた。そんな少年に、白いコートの男が声をかける。トンネルに差し掛かった時だった。
 少年と白いコートの男は、互いに名乗り、ひと時の間、語らう。少年も男も不思議な雰囲気を持っていたが、この列車自体が不思議だった。
 列車に乗ったからには、目的があるはずだった。しかし、男はその当初の目的を失ってしまう。列車を降りる際、男は少年に自分の白いコートをかけてやった。
 何故なら少年の正体は――。
 そして男の当初の目的、そして列車に乗っていた人々の目的は――。

 どこかノスタルジックな雰囲気の作品で、大きな事件などは起こらないものの、文章自体に魅力を感じる作品でした。

 是非、御一読下さい。

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