仲間がいれば、七不思議は作れる!

学校の七不思議の話は実際にいろんな種類のものがあると思うのですが、このお話ではそれを単なる幽霊などの怪現象としてでなく、発生させるもの、としてあっと驚く手法で作り出しています。

生徒会長清澄たからを引っ張り回す存在としての、清くも正しくも美しくもない生徒、小泉七雲が、様々なアイデアで怪談を作り、人を驚かせたり懲らしめたり改心させたりしていきます。
次第に増えていく怪団のメンバーですが、いつまでも謎なのは七雲くん本人。実は彼は、この世界の仕組みに深く関わっていて……。

終盤になって七雲くんの過去が明かされていくのですが、全校生徒も巻き込み、たからも危険な目に遭いながら、しかし七雲くんは最後まで七雲くんで……。
いい加減っぽいのに飄々とした策士であり、いざという時にはかっこよく決めてくれる、そして実は心の優しい奴、という。
うん、超いい。
彼らをとりまく生徒たちも非常に個性的で、それぞれの姿やしぐさが目に浮かぶようでした。特にセリフにその魅力が表れていて、一人一人のキャラ造形が的確に伝わってきました。やり取りがとてもおもしろかった!

全話に渡って、楽しくも驚きのアイデアに満ちた、ちょっと不思議な学園SF作品です。

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学校の怪団