へえ、よその地方では「新盆《にいぼん》」っていうのか。長崎では「初盆《はつぼん》」だ。亡くなって最初のお盆。もちろんと言おうか、長崎にあるのは「精霊馬」ではなく、フォークソングでもおなじみの「精霊船」を拵えるものだ。新盆の寅一を想って、遺された妻が丹精こめて作ったのは、ずいぶんとチューンアップを重ねた精霊馬、或いは暴れ馬。とてもとてもカッコいい。愛に溢れている。すごくすてき。祖父のとき、戦艦みたいに猛烈な精霊船を造るべきだった。
夫に先立たれた奥さんのお話。前半は故人への親愛の念がよく出ています。そして、後半の精霊馬づくり。帰って来やすいように心を込めているのは良いけど。ドンドン、ヒートアップしてる。もはや馬じゃない!悲しさよりも愉快さがたったお話でした。しんみりも良いけど、笑って迎える感じが伝わります。
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