緻密な世界観で描かれる戦闘乙女に魅了される!!
- ★★★ Excellent!!!
【あらすじ】舞台は蒸気機関と錬成技術が発展した、いわゆるスチームパンクな世界。錬成技術を競い合う場、そして貴族たちが権力を誇示する場所として『グランギニョール』と呼ばれる賭け試合が行われています。
この試合で対戦するのは『オートマタ』と呼ばれる自律型自動人形です。そんななか、若き錬成技師レオンは医師として孤児院『ヤドリギ園』で暮らしていました。ある日、レオンのもとにグランギニョールで負傷したオートマタが運び込まれました。ここからレオン、彼によって復活したオートマタ「エリーゼ」、ヤドリギ園の尼僧カトリーヌたちの長い闘いが始まります。
はたしてレオンはグランギニョールで勝ち抜き、ヤドリギ園を救うことができるのか? そしてエリーゼに隠された秘密とは?
【おすすめポイント①】緻密に構成された世界観
舞台となる『神聖帝国ガラリア』の首都イーサ。華やかな特別区と一般居住区の対比が精密に描かれています。またそこに住む人々の暮らし、思考、希望と絶望もリアルです。日々を懸命に生きているシスターカトリーヌと子供たち。貧富の格差が広がる現代社会にも通じる部分があり入りこめるでしょう。
【おすすめポイント②】個性的なコッペリア(オートマタ)たちによる手に汗にぎるバトル
本作の最大の売りともいえるのがその多彩かつ緻密な戦闘描写です。グランギニョールで実際に戦うのは若く美しい戦闘乙女たち。主人公ともいえるエリーゼをはじめ、多種多様さまざまな戦闘スタイルを持つ彼女たちが死力を尽くして戦います。怒涛の攻撃から、間一髪の防御、捨て身の攻撃、逆転のカウンター攻撃まで目まぐるしく展開するバトル描写は秀逸です。
【おすすめポイント③】物語に深みを加える登場人物たちの関係
レオン、エリーゼ、カトリーヌの主要キャラクターはもとより、レオンと父マルセルとの確執。レオンと恩人ベネックス所長の関係。カトリーヌと恩人シスター・マグノリア。それぞれの過去が解き明かされ、やがて残酷な運命が突きつけられます。
重厚なSF作品がお好きな方はもとより、痛快なバトル物がお好きな方、その他すべての方におすすめできる素晴らしい作品です! ぜひ御一読ください!