美学、堕天使は破滅を目指す

呪われた子として花葬される主人公。
何一つ思い通りにならない世界の中で最期に抱いた望みは――。

これは完成された破滅の美学だと感じました。
どこにも救いが見出せず、幻惑の中に凝り固まる無慈悲。
けれど、絶望は甘美であり、抱いた終末思想は翼を得て空高く舞い上がる。

たった三千文字だというのに、これだけ濃密な世界観を綴られる筆力に圧倒されました。
輝く光もあれば闇色の光もある、そんな風に感じた良作です。

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