金碧珠の名花

すべての存在はイデアの影である。
かつて、イデアを窃取し魂へ変換することによって、イデア界の証明を成した研究者がいた。
しかし彼は、物質界に多大な影響を与えた罪によって謀殺される。

それから十余年。

巨大な空間の裂け目〈カズムホール〉を修正するため、かつて助手をしていたアイはイデア協会に協力を要請される。アイは協会との浅からぬ因縁を理由に一旦は拒否したのだが、息子の存在を盾にとられ、本部への来訪を約束させられた。


【注意】
※作中のイデアとプラトンのイデアは似て異なるものとなっています。
※第四章に身体障碍者が登場しますが、作品の特性を考慮した表現をもちいています。あらかじめご了承ください。