温泉施設で働く作者さまの、実体験をもとにした、困った入浴客たちのエピソード集。
いやー、困った人、いるもんですねー。
日本人は風呂好き温泉好きです。むかしはお風呂といえば公衆浴場がメインで、そこは社交の場でした。当然常識的なマナーが存在したでしょう。ですが、現代では、お風呂は各家庭にあります。みなさん、入浴時は当然マイルール。
た・だ・し。そのマイルールを、公共の場である温泉施設へ持ち込んでしまうのはNG。
このエッセイでは、温泉施設に訪れる方々の、気遣い、マナー、品性、常識、人生、そんなものが描かれています。ときに犯罪であったり、ときに生死にかかわる事案であったり。
でも、やっぱり温泉は楽しい。ゆっくり湯につかって気持ち良くなるなら、周囲の方々にも気持ちの良い態度で接したいものですねー。というようなことを、改めて省みてしまう、ちょっと楽しいお話です。
あなたは、温泉施設で、周囲に迷惑をかけてしまうようなお客様では、ないですよね?
温泉施設でのできごとを、働く側から語ったエッセイです。
本当なら気の重くなるような苦労を、読む人を気遣い、コミカルに、とても読みやすく仕上げられています。作者である黒須さんの、サービスを超えたホスピタリティが感じられました。温泉施設を利用することが多いかたは、利用前・後、順番はどちらが先になってもよいと思いますので、一度読んでみてはいかがでしょうか。
本エッセイで描かれているようなお客さんを前にしたとき、面と向かって注意するのは難しいでしょう。ですが、マナーを守るその後ろ姿がひとつでも増えたなら、施設を利用する人・迎える人のどちらも、きっと穏やかな気持ちになれるはずです。そこに「ありがとう」の短い言葉を添えられたら、すてきですね。
たまにはのんびりしたいね〜、などという言葉と共に、ふと訪れたくなる温泉。日本人には欠かせない楽しみの一つとも言えるでしょう。
作者様は、そんな温泉施設の浴場を日々快適に保つために働くスタッフさんです。
スタッフの方々が、施設の運営のために日々これほどご苦労をされているとは……そんな、びっくり仰天の「温泉施設裏話」がぎゅっと濃縮された、刺激的かつクスッと楽しめる作品です。
これまで作者様の経験された様々なエピソードに驚くと同時に、「ああ、なるほど」と一つ一つ頷いてしまうことばかり。利用客というのは思った以上にその辺の意識が薄いものかもしれないと気付かされ、自分自身の入浴マナーも思わず振り返りたくなります。
驚き、笑い、自分自身を省みた後に、「やっぱり温泉行きたいな〜」と思わせてくれる、明るく活気に満ちた作品です。
と、書くとなんだかすごそうですが、中身は楽しい楽しいエッセイです。
同時に温泉をみんなが楽しむためのガイドにもなっております。
温泉には、ちょっと迷惑なお客さんだったり、だいぶ迷惑なお客さんだったり、斜め上の行動をするお客さんがいたり、と様々な人がやってきます。
そんなこんなを紹介しつつ、温泉ならではのマナーやルールというものを知ってほしいと、そんな目的で書かれたエッセイです。
しかしまぁ色んな人がいるものです。
そしてなかなか知ることのない、温泉の裏側、スタッフさんの苦労を知ることが出来ます。
語り口のおかしさもあって、とにかく楽しいこのエッセイ。
是非読んでみてください。
「温泉が大好きである!」という方は全員集合してください。
ふむふむ、集まりましたね。
これから語られるのは温泉にまつわる、世にも奇妙な物語です。
普段何気なく通っている温泉に時折訪れる珍客の珍行動、あんなことやこんなことがこのエッセイでは面白おかしく語られています。
もしかすると温泉従業員である作者黒須さんの魂の叫びなのかもしれませんが……
笑っちゃいけない? とても面白かったのですよ笑
温泉って誰もが癒されにいく場だと思うんです。
世の中のルールの大半は堅苦しくて時に面倒だなと思うようなものもあると思いますが、温泉にはそれが当てはまらない。思いやりと気配りをもってルールを守ることで快適空間が維持されるのですね。世界に誇るべき日本の文化ではないでしょうか?
私も時折温泉を訪れます。
日頃の疲れを忘れ、執筆を忘れ(おいっ!)、身も心も温かいお湯に浸ります。
そうした環境は従業員の皆さまとマナーを守りたいと思う人々の心遣いによって守られるのだと思います。
身も心も温まる素敵な作品でした。
大変いいお湯を頂きました(*´ω`*)
個人的にマナーは守るものであって強要するものではないと思う。
強要すべきなのはルールであって厳格なペナルティを与えなければならない。
厳格なだけに法律や科学的論理性を考慮する必要がある。
ルールを設けてる割に甘く、他者の空気という審判に身をゆだねてる感が拭えない奇妙な日本人の感性が再確認できた。
銭湯やプールではいまだ刺青NGという奇妙な風潮をずっと続けてる。
科学的には悪影響はあまりないと思うが(衛生面についての懸念が完全にないわけでなない)刺青をしているのは悪に違いないとの思い込みが未だ続いてる。
みんながやってるからやってる、自分たちがしないとパッシングを受ける……という風潮を強く表した物だろう。
同じような理由でピアスや染髪をしている学生を校則を使ってのけものにするのに近い。
また、10浴の長い髪をしたおっさんを奇妙に思う作者の感性も男性は髪が短くて当たり前、そうじゃないならどう扱っても構わないという実に日本人的な感性である。
13浴のおむつ離れをしてない子供を連れてくるというのは、母親が子供の世話を始終しなければ行けない事が原因だろう。
母親が子供と離れてるなんておかしい、そういう風潮が母親に脅迫概念を押し付けているのである。
ベビーシッターが日本でもどんどん広まれば良いと思う。
犯罪まがいの行動をする悪い客に呆れを通り越して苦笑している作者の心情は理解できた。
盗撮&覗き、シャンプー捨てなど明らかに法を犯す行動をする人物が居るのは理解に苦しむ。
場所が場所なだけに監視カメラをおけないのは辛い。
カクヨム社主催の2021年度この温泉施設が面白い! のタイトルを獲得した【温泉施設のキミョーな来訪客】です。
そんなタイトルはないけど、面白いのは事実。内容はとある従業員のボヤキに始まりボヤキに終わるのですが、たまにタメになる施設を利用する際の情報も収録。
アニメや漫画などで面白おかしく描写されている変人や変態がリアルになるとこうもヤバいのかと、改めて気付かされます。笑えるけど笑えない、だけどやっぱり笑えるエッセイ。おすすめ。
※あと、アニメでよくある温泉回。
(主人公男子が女子の入浴を覗いてるのがバレて袋叩きにされるやつ。でも謎の光が入ってるのでちゃんと見えてない) あれはほんと、誰に対しての需要なんですかね(笑)