絵巻物のような美しい世界が色鮮やかに動き出す

丁寧な筆致でしっかりと書き込まれた情景や、人々の息吹が感じられるような街の描写に引き込まれました。本当にこの国が存在しているかのようです。
中世の絵巻物を思わせる雰囲気が全体に流れていて、そこで紡ぎ出される物語は、まるで重厚で緻密なタピストリーの世界が、鮮やかな色を持って生き生きと動き出すような感覚です。
「時を刻む」という概念とは。この人間にとっての大きなテーマを中心に、時空を超えた出会いやひとつの国の存亡の危機など、色んな要素が盛り込まれていて、まさに王道のファンタジー。
文学とエンターテイメントが融合した、どの世代でも楽しめる物語です。

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