非常に読みやすい文章ですっと入ってくる分、その壮絶な肉体的、精神的な苦しみがリアルに伝わり、心を素手で掴まれるような感覚になります。
そして、その体験から得た筆者の「痛み」に対する冷静な洞察が鋭く、ひと言ひと言が胸に刺さります。
「ひとの痛みが分かる人間に」とはよく言われる言葉ですが、筆者の生きてきた現実を読むにつれ、その反対のことばかりだと思い知らされます。そして筆者を追い詰めた周りの状況になんともいえない憤りと悲しみを覚えます。
では、翻って自分はどうなのか。
自分の痛みは耐えきれないと感じても、喉元を過ぎれば、あるいは同じ種類の痛みでなければ、他人の痛みに関しては無関心でいられる。どちらも同じ苦しみであるのに。
もしもそれが人間の残酷な性なら、自分はどうそれと向き合って生きていくのか。
心のこもった言葉が胸を打ち、読者に考えさせる余韻を残します。
胸に迫る素晴らしいノンフィクションです。
読ませていただいた後、何とも言えず、申し訳ないような気持ちと、それと同時にものすごく苦しい気持ちになるノンフィクションです。
作者様は、原因不明の疼痛に
本当に長い間、悩まされ続けていらっしゃいました。
その疼痛は日常生活を脅かすほどの疼痛
しかし、誰に理解されず
医師に理解されず
学校の教員にも理解されず
ひたすら苦しみ続けます。
本人は耐え難い苦痛を感じているのに
そこに目に見える原因がない場合
何でもない
と捉えてしまう。
甘えだ、怠慢だ、弱さだ、そのような、目に見えるわかりやすい理由をつけて、跳ね除ける。
人は、他人の痛みを知り得ない
作者様の言葉をお借りしました。
全くその通りだと思います。